ARRI cforce MAXがプロのレンズ制御を革新!速度2倍、15%小型化、タッチスクリーン内蔵で現場の常識を覆す

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プロフェッショナルな映画制作の現場で絶大な信頼を誇るARRIが、レンズ制御システムに新たな基準を打ち立てるブラシレスレンズモーター「cforce MAX」を発表しました。長年愛用されてきたcforce plusの後継モデルとして登場したこの新製品は、その性能と機能性において、フォーカスプラーのワークフローを劇的に変える可能性を秘めています。速度は従来の2倍に向上し、筐体は15%小型・軽量化。さらに、業界初となる内蔵タッチスクリーンインターフェースを搭載することで、現場での操作性と効率が飛躍的に向上します。

cforce MAXは、ARRIのHi-5レンズ制御エコシステムにおける高性能なノードとして設計されており、重いズームレンズやアナモフィックレンズ、反応の鈍いビンテージレンズといった、これまでフォーカスプラーを悩ませてきた課題に対し、より迅速かつ精密なソリューションを提供します。この革新的なモーターが、映画制作の最前線にどのような影響をもたらすのか、その詳細を深掘りしていきます。

ARRI cforce MAXの革新的な進化:速度と小型化がもたらす現場の変革

ARRI cforceシリーズは、2014年のcforce mini登場以来、プロの撮影現場で不可欠な存在として進化を続けてきました。特に高トルクを誇るcforce plusは、硬いレンズや重いレンズを扱うフォーカスプラーにとって長らく定番の選択肢でしたが、そのサイズと毎秒210歯という速度は、現代の要求にはやや見劣りするようになっていました。cforce MAXは、この課題に対するARRIの明確な答えです。

ARRI cforce MAXレンズモーターのキービジュアル

cforce MAXは、最大トルク1.0 Nmを維持しつつ、速度は400 t/sとcforce plusのほぼ2倍に達します。これは、特に動きの速い被写体や、リアルタイムでの精密なフォーカス追跡が求められるシーンにおいて、フォーカスプラーに圧倒的なアドバンテージをもたらします。さらに、筐体はcforce plusより15%小型・軽量化されており、cforce miniと比較してもわずか15%大きいだけというコンパクトさを実現。これにより、ジンバルやハンドヘルド撮影といった、機動性が重視される環境での運用が格段に容易になります。

このブラシレス設計とARRIが「市場をリードする低レイテンシー」と謳う性能は、従来のフォーカス操作だけでなく、予測不能な動きに瞬時に対応しなければならないフォーカス追跡システムにも理想的です。cforce MAXは、超コンパクトなcforce miniやワイヤレスのcforce mini RFに取って代わるものではなく、それらを補完する形で、絶対的なトルクと速度が求められる状況での選択肢として位置づけられています。

業界初!内蔵タッチスクリーンで操作性を劇的に向上

cforce MAXの最も目を引く新機能は、モーター本体側面に統合されたカラータッチスクリーンです。これまでのcforceシリーズにはなかったこのディスプレイは、フォーカスプラーのワークフローに革命をもたらします。セットアップ、設定変更、ステータス監視といった作業を、ハンドユニットのメニューを操作することなく、モーター上で直接行えるようになりました。

例えば、トルク設定の調整、軸の割り当て、キャリブレーションの状態確認などが、モーターに触れるだけで完結します。これにより、撮影現場での時間短縮と、より直感的な操作が可能となり、フォーカスプラーはレンズ制御により集中できるようになります。タッチスクリーンに加え、cforce miniやplusのユーザーにはお馴染みのモーター軸変更などのコア機能を操作する物理的なソフトタッチボタンも備わっています。

ARRIは、このディスプレイがカスタマイズ可能であり、将来的な拡張性も備えていると明言しています。Hi-5ハンドユニットやcforce mini/plusの発売以来、ソフトウェアアップデートを通じて機能拡張を行ってきたARRIの姿勢を鑑みると、cforce MAXも今後さらなる進化を遂げることでしょう。

繊細なレンズに対応する手動キャリブレーションモード

cforce MAXは、本体での手動キャリブレーションにも対応しています。これは、自動キャリブレーションスイープを行うと機械的損傷のリスクがある非常に繊細なレンズ、例えばビンテージ単焦点レンズ、エンドストップが制限されたリハウジングレンズ、あるいはARRI Ensō単焦点レンズのような特殊光学系を扱う際に特に重要です。手動での精密な調整が可能になることで、貴重なレンズを安全かつ正確に制御できるようになります。

Hi-5エコシステムとの連携と接続性

cforce MAXは、ARRIの電子制御システム(ECS)エコシステムの中核をなすHi-5ハンドユニットとシームレスに連携します。デュアルLBUSポートを搭載しており、既存のLBUSインフラと完全な下位互換性を持つため、最大3台のモーターをデイジーチェーン接続することが可能です。

ARRI cforce MAXのLBUSコネクタ

電源供給に関しては、10.5~34 V DCの広い電圧範囲に対応し、最大96 Wを消費します。カメラのLBUSまたはLCSポートから十分な電力が供給できない場合、特にARRI ALEXA Mini LFのようなカメラで複数のモーターを使用する高負荷なセットアップでは、LBUS-to-D-Tapケーブルを介した外部からの補助電源供給が推奨されています。これにより、信頼性の高いキャリブレーションと安定した性能が確保されます。

また、既存のARRI製マウントブラケット、ロッド、ドライブギアのほとんどと互換性があるため、既存の機材をそのまま活用でき、アクセサリーキットを一から揃え直す必要がありません。キャリブレーションは、ARRI Hi-5ハンドユニット、ARRI ALEXA 35およびALEXA 35 Xtremeなどの互換カメラ、RIA-1のようなモーターコントローラー経由、あるいはモーターの画面上から直接開始できるなど、多様な制御ポイントが用意されています。

新アクセサリー:モーターロッドクランプMRC-1

cforce MAXの発表と同時に、ARRIは新しいモーターロッドクランプ「MRC-1」もリリースしました。15mm版と19mm版が用意されており、どちらも工具不要でダブテールインターフェースを介して迅速に取り付け可能です。これにより、既存のClamp Console 2と並んで、より迅速でリグへの適合性に優れた代替品となります。

MRC-1は新型モーター専用ではなく、cforce miniおよびcforce mini RFとも互換性があります。ARRIは、セットアップ変更時のモーターの安定性向上や再配置の迅速化を求める既存のHi-5システムユーザーにとって、MRC-1が有意義なアップグレードとなると位置づけています。小型化されたフォームファクターは、重量と体積を抑えたいジンバルやステディカムのクルーにとって特に魅力的です。

過酷な現場を支える堅牢性と柔軟なギア選択

プロの撮影現場は常に予測不能な環境にあります。ARRI cforce MAXは、このような過酷な状況にも耐えうる堅牢な設計が施されています。動作温度範囲は-20 °C~+50 °C、相対湿度は0~95%(+45 °Cまで)とされており、湿った表面や濡れた指でも操作できるように設計されています。ただし、ARRIはECSのすべてのコンポーネントを過度の湿気から遠ざけるよう推奨しています。

小型・軽量化されたARRI cforce MAX

ベータテスターであるフォーカスプラーのゲオルグ・ランツ氏は、このモーターを「地球上で最も暑い場所、ジャングル、そして外洋」で使用した経験を語り、その応答性と速度がドキュメンタリーや自由度の高い撮影状況でより良い仕事をするのに役立ったと評価しています。これは、cforce MAXが単なるスペック上の進化だけでなく、実際の現場での信頼性と実用性を兼ね備えていることを示しています。

また、ギアの選択によって性能範囲を調整できる柔軟性も持ち合わせています。デフォルトの50歯ギアでは最大400 t/sの速度を達成しますが、40歯ギアに交換するとトルク重視のバランスにシフトし、最高速度は約320 t/sに低下します。これは、純粋な速度よりも、硬いレンズギアに対して意図的により大きなトルクが必要な場合に非常に有用な選択肢となります。

プロのフォーカスプラーに何をもたらすか?現場でのメリットを深掘り

ARRI cforce MAXの登場は、プロのフォーカスプラーにとって単なる機材の更新以上の意味を持ちます。その進化は、日々の作業効率、撮影の精度、そして現場でのストレス軽減に直結するからです。

  • 重いレンズやビンテージレンズの操作性向上: cforce plusと同等の高トルクを維持しつつ、速度が2倍になったことで、これまで操作が重く感じられたアナモフィックズームレンズや大型PLプライムレンズ、あるいは反応の鈍いビンテージレンズでも、よりスムーズかつ迅速なフォーカス調整が可能になります。これは、特にシビアなフォーカスワークが求められるシーンで、フォーカスプラーの負担を大幅に軽減します。
  • 精密なフォーカス追跡の実現: 低レイテンシーと高速応答性は、動きの予測が難しい被写体や、リアルタイムでのフォーカス追跡システムにおいて真価を発揮します。AIを活用したフォーカスアシストシステムや、バーチャルプロダクション環境での高精度なレンズ制御が求められる現代において、cforce MAXは不可欠なツールとなるでしょう。
  • ジンバル・ハンドヘルド撮影での負担軽減: 15%の小型・軽量化は、ジンバルやステディカム、ハンドヘルドリグといった、重量とバランスが極めて重要な撮影スタイルにおいて大きなメリットとなります。機材全体の軽量化は、オペレーターの疲労を軽減し、より長時間の集中力維持に貢献します。
  • タッチスクリーンによる迅速な設定変更とトラブルシューティング: モーター本体に内蔵されたタッチスクリーンは、ハンドユニットを介さずに直接設定変更やステータス確認ができるため、現場での迅速な対応を可能にします。これにより、予期せぬトラブル発生時にも素早く原因を特定し、対処できるようになり、撮影の中断時間を最小限に抑えることができます。
  • 全体的なワークフローの効率化とストレス軽減: これらの機能向上は、結果としてフォーカスプラーのワークフロー全体を効率化し、精神的なストレスを軽減します。より少ない労力で、より高い精度と速度を実現できるため、クリエイティブな側面に集中する余裕が生まれるでしょう。

ARRIのレンズ制御戦略と今後の展望

cforce MAXは、近年著しく高度化しているARRI電子制御システム(ECS)エコシステムの最新構成要素であり、その戦略的な位置づけは非常に重要です。Hi-5ハンドユニットには、SX単軸モデルや新しいSmallHDレンズデータオーバーレイライセンスが加わり、ファームウェアも着実に更新されています。また、ARRI Camera Companion Appによりcforceモーターを通じたFIZリモート制御が可能となり、同社のフラッグシップモデルであるALEXA 35には、ベースモデルと新しいXtremeモデルの両方がECSワークフローに緊密に統合されています。

cforce MAXは、LBUSケーブルの末端にある比較的単純なアクチュエーターではなく、そのネットワーク内の「スマートノード」として機能するよう、一から設計された初のcforceモーターです。これは、モーター本体での処理能力の向上、フォーカストラッキングやバーチャルプロダクションといった未来の撮影技術とのより緊密な統合、そしてHi-5エコシステム全体を、単に寄せ集めではなく、一体感のあるものとして維持し続けるためのARRIの継続的な取り組みを明確に示しています。

cforce plusの後継機としてのMAXの登場は、ARRIのレンズ制御ロードマップが、より高速で、小型かつインテリジェントなソリューションへと向かっていることを示唆しています。これは、映画制作の現場が求める精度、速度、そして柔軟性に応えるための必然的な進化であり、今後のARRIの技術革新にも期待が高まります。

価格と発売時期

ARRI cforce MAXは現在販売中です。モーターと対応するMRC-1クランプを組み合わせた2つの基本キット(cforce MAX Basic Kit 15 mm (KK.0055606) と cforce MAX Basic Kit 19 mm (KK.0055607))が提供されています。MRC-1クランプは、cforce miniおよびcforce mini RFモーターと併用するための15mm版と19mm版として、単体でも販売されています。製品に関する詳細情報はARRI cforce MAX公式ページで確認できますが、世界共通の小売価格は掲載されていないため、各地域の最新価格については、お近くのARRI販売代理店に問い合わせることを推奨します。

情報元:CineD

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