DJIから、空撮初心者向けのエントリーモデルドローン「Lito 1」が登場しました。この250g未満の軽量ドローンは、4K/100pでの動画撮影や全方向ビジョンシステムを搭載しており、初めてドローンを操縦するユーザーにとって魅力的な選択肢となり得ます。本記事では、Lito 1の主要機能と性能を詳しく掘り下げ、上位モデルのLito X1との違いにも触れながら、その実力を徹底検証します。
DJI Litoシリーズの概要と位置付け
2026年4月末に発表されたDJI Lito 1とLito X1は、DJIの「非プロ」ラインナップにおける既存のMiniドローンシリーズを置き換える位置付けにあると見られています。これにより、「Mini Pro」の名称は、250g未満ドローンにおける最上位モデルに限定される可能性が示唆されています。Litoシリーズは、特に空撮をこれから始めるユーザーをターゲットにした、手頃な価格帯のモデルとして設計されています。
Lito 1とLito X1の主な違い
Litoシリーズには、エントリーモデルのLito 1と、より高性能なLito X1の2機種がラインナップされています。両モデルの主な相違点は以下の通りです。
- カメラモジュール: Lito 1は1/2インチ48MP CMOSセンサーと26.2mm(フルサイズ換算)f/1.8固定焦点レンズを搭載。Lito X1はより大型の1/1.3インチ48MP CMOSセンサーと24mm(フルサイズ換算)f/1.7レンズを採用し、1mから無限遠までピント調整が可能です。
- ビデオモード: 両モデルとも最大4K/100p撮影に対応しますが、Lito X1にはFullHD 200fpsモードが追加されています。また、Lito X1はD-Log MプロファイルやHDR動画撮影が可能で、より広いダイナミックレンジでの撮影が期待できます。Lito 1は通常プロファイルのみですが、10ビット対応です。
- 内蔵ストレージ: Lito 1には内蔵ストレージがなくmicroSDカードが必須ですが、Lito X1には42GBの内蔵ストレージが備わっています。
- 障害物検知システム: 両モデルともに下向きと上向きのカメラによる全方向ビジョンシステムを搭載。Lito X1にはさらに前方向きのLiDARセンサーが追加され、低照度下での検知性能が向上しています。
Lito 1の全方向ビジョンと飛行性能
Lito 1の特筆すべき点の一つは、DJIの最も手頃な価格帯の折りたたみ式ドローンでありながら、全方向ビジョンによる完全な障害物検知システムを提供していることです。この機能は、ドローン操縦に不慣れな初心者にとって、衝突のリスクを大幅に軽減し、安心して飛行できる環境を提供します。下向きと上向きの2つのカメラで構成されるシンプルなシステムは、コストを抑えつつ高い安全性を実現しています。
最大飛行時間はDJIの公称値で36分ですが、実際の運用では約30分程度が目安となります。より大型のバッテリーを使用することで飛行時間を延長することも可能ですが、その場合はドローンの重量が250gを超え、より厳しい規制の対象となる点に注意が必要です。O4伝送システムにより、リモートコントローラーの操作性は良好で、安定した接続が維持されると報告されています。
Lito 1のカメラ性能と動画・静止画撮影
Lito 1は、1/2インチ48MP CMOSセンサーと26.2mm(フルサイズ換算)f/1.8レンズを搭載しています。このレンズは固定焦点で、最短撮影距離が4mと設定されているため、4mより近い被写体はピントが合わないという制約があります。これは、ドローンを近距離で運用する際に考慮すべき点です。最大4倍のデジタルズームも利用できますが、画質は低下する可能性があります。
動画撮影機能
Lito 1は、D-Log Mカラープロファイルには対応していませんが、Normalカラープロファイルで10ビット4:2:0 H.265形式での記録が可能です。これにより、ポストプロダクションでの色調整に一定の柔軟性が確保されます。
- 解像度とフレームレート: UHD 4K解像度で24fpsから60fpsまで対応。H.265のビットレートは4K/60pで約85Mbps、4K/30pで約65Mbpsです。
- 縦位置撮影: カメラモジュールが物理的に回転するMini Proシリーズとは異なり、Lito 1は画像の中央部分を9:16の比率でトリミングして縦位置動画を生成します。2.7K解像度で最大60fpsまで利用可能です。
- 画質調整: シャープネスとノイズリダクションの設定を調整できます。ポストプロダクションでの柔軟性を最大化するためには、両方を-2に設定することが推奨されています。
スローモーション動画
Lito 1は、最大4K解像度で100fpsのスローモーション動画撮影が可能です。ドローンは25fpsの動画クリップとして記録し、これを25%の速度にスローダウンします。生成される動画のビットレートは約30Mbpsで、元の4K/100fpsの映像は約120Mbpsに相当します。エントリーモデルでありながら4K/100fpsに対応している点は評価できます。
静止画撮影機能
静止画は12MP(4000×3000px)または48MP(8000×6000px)で撮影でき、圧縮JPEG、DNG RAW、またはその両方で保存可能です。48MPのDNG静止画のファイルサイズは約60~70MB、12MPのDNGは約18MBです。JPEGの場合、48MPで20~30MB、12MPで約9MBとなります。十分な光量下であれば、静止画の画質は良好ですが、厳しい照明条件下ではノイズが増加し、小型センサーの限界が露呈する傾向にあります。
独自の視点:Lito 1はどんなユーザーに最適か?
DJI Lito 1は、手頃な価格でドローン空撮の世界に足を踏み入れたい初心者にとって、非常に魅力的な選択肢です。全方向ビジョンシステムによる障害物検知は、初めての飛行における不安を大きく軽減し、墜落のリスクを低減します。また、10ビット4K/100p撮影に対応しているため、映像編集の自由度も高く、表現の幅を広げることが可能です。
しかし、Lito 1にはいくつかの制約もあります。特に、固定焦点レンズの最短撮影距離が4mである点は、近距離での撮影を頻繁に行いたいユーザーにとっては大きなデメリットとなり得ます。また、上位モデルのLito X1が搭載するD-Log MプロファイルやLiDARセンサー、内蔵ストレージがない点も、より本格的な撮影を目指すユーザーにとっては考慮すべき要素です。
もし予算に少し余裕があり、より高品質なカメラ性能や高度な機能を求めるのであれば、Lito X1の選択を強く推奨します。Lito X1は、大型センサー、D-Log M、LiDARセンサー、内蔵ストレージなど、Lito 1にはない多くの利点を提供します。現在の価格差がわずか70ユーロ程度であれば、X1の追加機能は十分にその価値があると言えるでしょう。ただし、将来的に価格差が大きく開けば、Lito 1も有力な選択肢となり得ます。
こんな人におすすめ
- 初めてドローンを操縦する初心者
- 250g未満の規制対応ドローンを探している人
- 手軽に高品質な空撮動画を楽しみたい人
- 予算を抑えつつ障害物検知機能を重視する人
まとめ
DJI Lito 1は、全方向ビジョンによる障害物検知と4K/100p撮影機能を備え、エントリーモデルとしては非常に優れたドローンです。特に、ドローン飛行の安全性を重視する初心者には最適な選択肢となるでしょう。一方で、固定焦点レンズの最短撮影距離やD-Log M非対応といった制約も存在します。
最終的な選択は、ユーザーの予算と用途によって異なります。もし、より高度な撮影機能や柔軟性を求めるのであれば、Lito X1が提供する追加機能の価値を検討することをおすすめします。現時点では、どちらのLitoドローンも米国では公式に販売されていないようですが、今後の市場展開に注目が集まります。
情報元:CineD

