Grammarlyの新機能「Expert Review」に専門家は不在?AIによる執筆支援の倫理的課題

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Grammarlyが最近追加したAI搭載の執筆支援機能「Expert Review」が、その名称とは裏腹に実際の専門家が関与していないとして、議論を呼んでいます。

「Expert Review」機能の概要

2025年8月に発表されたこの機能は、ユーザーの文章を「専門家の視点」から改善提案を行うとされています。サイドバーに表示される提案は、存命・故人を問わず、世界的に著名な作家や思想家、さらにはTechCrunchを含むテックジャーナリストの名前を借りて行われることがあると報じられています。

実際の専門家は関与せず

元記事の筆者が自身のドラフトでこの機能を試したところ、TechCrunchの同僚ではなく、Casey Newton氏、Kara Swisher氏、Timnit Gebru氏といった著名人からのアドバイスが表示されたといいます。

しかし、これらの人物が「Expert Review」機能に実際に協力したり、Grammarlyに名前の使用を許可したりしているわけではないことが明らかになっています。

Grammarly側の説明と倫理的課題

Grammarlyの親会社Superhumanの製品・企業マーケティング担当副社長であるAlex Gay氏は、これらの専門家が言及されるのは、彼らの公開された著作が広く利用可能で、頻繁に引用されているためだと説明しています。

また、Grammarlyのユーザーガイドには、「Expert Reviewにおける専門家への言及は情報提供のみを目的としており、Grammarlyとの提携や個人・団体による推奨を示すものではありません」と明記されています。

この説明は一見明確ですが、歴史家のC.E. Aubin氏はWiredに対し、「これらは専門家によるレビューではない。なぜなら、それらを生成するのに『専門家』が関与していないからだ」と述べ、機能の名称と実態の乖離を批判しています。

AIによる執筆支援が進化する中で、その機能が提供する「専門性」の根拠や、著名人の名前を使用する際の倫理的な問題は、今後も議論の対象となりそうです。

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