Accsoonは、映像制作現場のコミュニケーションを革新する新たなワイヤレスインターコムシステム「CoMo II」を正式に発売しました。このシステムは、AIを駆使したノイズリダクション機能と、わずか170gという軽量設計のヘッドセットが特徴で、最大9人までの同時通話に対応します。特に、騒がしい撮影環境下でのクリアな音声通信と、長時間の装着でも快適さを保つ設計は、制作クルーの連携を劇的に向上させる可能性を秘めています。
Accsoon CoMo IIとは?映像制作現場を変えるワイヤレスインターコムシステム
Accsoonはこれまでもワイヤレスインターコムシステム「CoMo」シリーズを展開しており、NAB 2024で初代CoMoを、IBC 2024ではコストパフォーマンスを重視したCoMo SEを発表してきました。そして、NAB 2026で詳細が披露されたのが、今回正式に発売された「CoMo II」です。この最新モデルは、ヘッドセットベースのシステムとして大幅なアップデートが施され、中小規模の制作現場におけるコミュニケーションの課題解決を目指しています。
最大9ユーザー対応の全二重通信でスムーズな連携を実現
CoMo IIは、全二重通信に対応したワイヤレスDECTインターコムシステムです。全二重通信とは、電話のように双方向で同時に話したり聞いたりできる方式を指し、従来のトランシーバーのようなプッシュ・トゥ・トーク(PTT)操作が不要になります。これにより、ユーザーはオープンなグループ通話のような感覚で、途切れることなくリアルタイムな情報共有が可能です。
システムは1台のホストヘッドセットが通信ハブとして機能し、最大8台のリモートヘッドセットを接続できます。これにより、ホスト1台とリモート2台の3ユーザー構成から、ホスト1台とリモート8台の最大9ユーザー構成まで、柔軟なセットアップが可能です。監督、カメラチーム、音響チーム、照明チーム、あるいはライブ制作スタッフなど、複数の役割を持つクルーが、撮影の流れを止めることなく迅速に連携できるため、作業効率の大幅な向上が期待されます。
AIノイズリダクションと音声特化設計でクリアな音質を追求
映像制作現場は、時に非常に騒がしい環境で行われます。CoMo IIは、このような状況下でもクリアな音声通信を確保するため、デュアルマイクENC(環境ノイズキャンセリング)とAI搭載のノイズリダクション機能を組み合わせています。Accsoonによると、このシステムは、街中、イベント会場、屋外ロケ地など、様々な背景ノイズの中から人間の音声を正確に分離するように設計されています。
公表されている周波数特性は150Hz~7kHzで、これは音楽などのフルレンジオーディオではなく、人間の音声帯域に特化した設計であることを示しています。これにより、不要な低音や高音のノイズをカットし、通話に必要な音声情報だけを効率的に伝達することで、明瞭なコミュニケーションをサポートします。AIが環境音を学習し、リアルタイムでノイズを除去するため、突発的な騒音にも対応しやすく、ストレスの少ない通話環境を提供します。
最大400mの広範囲通信と軽量・快適な装着感
ワイヤレスインターコムシステムにとって、通信範囲と装着感は非常に重要な要素です。Accsoonは、CoMo IIが同社のワイヤレス安定化技術により、見通し距離で最大400mの伝送範囲を実現すると謳っています。もちろん、この数値は理想的な条件下でのものであり、実際の撮影現場では壁、人、金属構造物、テント、その他の電波干渉源が存在するため、通信距離は変動する可能性があります。それでも、多くの中規模な制作現場においては十分な余裕を持った範囲と言えるでしょう。
ヘッドセットの重量は、バッテリーとイヤーパッドを含めてわずか約170gです。インターコム用ヘッドセットは、一度に数時間、時には一日中装着し続けることも珍しくありません。そのため、この軽量設計は、クルーの疲労軽減に大きく貢献します。また、様々な頭の形にフィットするよう調整可能な構造になっているため、長時間の使用でも快適性を維持できるよう配慮されています。
長時間バッテリー駆動と外部ヘッドセット対応の柔軟性
長時間の撮影に対応するため、CoMo IIは優れたバッテリー駆動時間を実現しています。ホストヘッドセットは最大10時間、各リモートヘッドセットは最大17時間の連続駆動が可能です。これにより、バッテリー切れを心配することなく、長丁場の撮影にも集中できます。
さらに、本システムは外部の3.5mmヘッドセットにも対応しており、ユーザーは好みのイヤホンやヘッドホンを接続して使用する柔軟性があります。ただし、外部マイクを使用する際にはいくつかの制限があります。内蔵マイクとスピーカーは無効になり、デュアルマイクENC(AIノイズリダクション)は利用できなくなります。また、ブームマイクを上向きに倒してミュートする機能も使えなくなるため、外部ヘッドセットの利用を検討する際は、これらの点を考慮する必要があります。
Accsoon CoMo IIが映像制作現場にもたらすメリットと課題
Accsoon CoMo IIは、その軽量性、AIノイズリダクション、そしてベースステーション不要という特徴から、特に中小規模の映像制作現場において大きなメリットをもたらします。しかし、導入を検討する際には、いくつかの運用上の考慮点も存在します。
コミュニケーション効率の飛躍的向上
全二重通信によるリアルタイムでの情報共有は、制作現場のコミュニケーション効率を飛躍的に向上させます。監督からの指示、カメラマンからの状況報告、音響スタッフからの音声チェックなど、あらゆる情報が即座に共有されることで、撮影の中断を減らし、スムーズな進行を可能にします。特に、複数のカメラや複雑なセットアップを伴う現場、あるいはライブ配信のようなリアルタイム性が求められる場面では、その効果は絶大です。
AIノイズリダクションは、現場の騒音に左右されずにクリアな指示や報告を可能にし、誤解や聞き間違いのリスクを低減します。これにより、制作ミスを未然に防ぎ、高品質な映像制作に貢献します。また、軽量なヘッドセットはクルーの身体的負担を軽減し、集中力の維持にも繋がります。
導入コストと運用上の考慮点
CoMo IIはベースステーションを必要としないため、従来のプロフェッショナル向けインターコムシステムと比較して、初期導入コストやセットアップの複雑さを抑えることができます。ヘッドセット単体は249ドルから提供され、クルーの人数に応じた様々なキットが用意されているため、チームの規模に合わせて無駄なく導入が可能です。
しかし、外部ヘッドセットを利用する際の機能制限は、運用上の考慮点となります。特にAIノイズリダクションが利用できなくなる点は、騒がしい環境での使用を想定している場合、内蔵マイク・スピーカーのヘッドセットを使用するか、外部ヘッドセットの選択を慎重に行う必要があります。また、最大9ユーザーという制限は、非常に大規模な制作現場では不足する可能性も考えられます。
競合製品との比較
CoMo IIは、ワイヤレスインターコム市場において、特にベースステーション不要の軽量ヘッドセットシステムとして独自の立ち位置を築いています。ここでは、類似の製品と比較し、その特徴を明確にします。
| 製品名 | Accsoon CoMo II | Hollyland Solidcom C1 Pro | Saramonic WiTalk WT5D |
|---|---|---|---|
| 通信方式 | 全二重DECT | 全二重DECT | 全二重DECT |
| 最大ユーザー数 | 9(ホスト1+リモート8) | 8(ホスト1+リモート7) | 5(マスター1+リモート4) |
| ノイズリダクション | AIノイズリダクション、デュアルマイクENC | ENC | ENC |
| ヘッドセット重量 | 約170g | 約170g | 約330g |
| バッテリー駆動時間(リモート) | 最大17時間 | 最大10時間 | 最大18時間 |
| 通信範囲(見通し) | 最大400m | 最大350m | 最大400m |
| ベースステーション | 不要(ホストヘッドセットが兼ねる) | 不要(マスターヘッドセットが兼ねる) | 不要(マスターヘッドセットが兼ねる) |
| 価格(単体) | $249〜 | $299〜 | $279〜 |
上記の比較表からもわかるように、Accsoon CoMo IIは、Hollyland Solidcom C1 ProやSaramonic WiTalk WT5Dといった競合製品と比べて、軽量性、AIノイズリダクションの搭載、そして通信範囲の広さで優位性を持っています。特にAIノイズリダクションは、より高度な環境音除去を可能にし、複雑な現場での音声明瞭度を高めることが期待されます。バッテリー駆動時間もリモートヘッドセットで最長クラスであり、長時間の撮影にも対応できる点は大きな強みです。
こんな人におすすめ
- 映像制作現場でリアルタイムなコミュニケーションを求める人
- 軽量で長時間の装着でも快適なインターコムを探している人
- 騒がしい環境下でもクリアな音声通信が必要な制作クルー
- ベースステーションなしで手軽に導入できるシステムを求める中小規模のチーム
- 既存のインターコムシステムからのアップグレードを検討している人
よくある質問
Accsoon CoMo IIは最大何人まで同時に使えますか?
CoMo IIシステムは、ホストヘッドセット1台とリモートヘッドセット最大8台を組み合わせることで、合計9人まで同時に全二重通信で利用可能です。これにより、中小規模の制作チームであれば十分な人数をカバーできます。
CoMo IIのAIノイズリダクションはどのような環境で効果を発揮しますか?
AIノイズリダクションは、街中の喧騒、イベント会場のBGMや話し声、屋外ロケ地の風切り音や交通音など、様々な背景ノイズの中から人間の音声を識別し、クリアに分離するように設計されています。特に予測不能な騒音が多い環境で、その効果を最大限に発揮します。
バッテリーはどのくらい持ちますか?
ホストヘッドセットは最大10時間、リモートヘッドセットは最大17時間の連続駆動が可能です。これにより、ほとんどの撮影スケジュールに対応できる十分なバッテリーライフを提供します。
外部のヘッドセットは使えますか?
はい、3.5mmジャックを備えた外部ヘッドセットを接続して使用できます。ただし、外部ヘッドセットを使用する場合、内蔵マイクとスピーカーは無効になり、デュアルマイクENC(AIノイズリダクション)は利用できません。また、ブームマイクを上向きに倒してミュートする機能も使えなくなりますのでご注意ください。
複数のCoMo IIキットを組み合わせて10人以上で使うことは可能ですか?
Accsoon CoMo IIは、1つのホストヘッドセットに対して最大8台のリモートヘッドセットを接続する設計であり、システム全体で最大9ユーザーが上限とされています。複数のキットを単純に組み合わせても、この上限を超えることはできません。より大規模なチームでの利用を検討する場合は、別の多人数対応システムを検討するか、CoMo IIを複数チームに分けて運用するなどの工夫が必要です。
まとめ
Accsoon CoMo IIワイヤレスインターコムシステムは、AIノイズリダクション、軽量設計、そしてベースステーション不要の全二重通信という強力な特徴を備え、映像制作現場のコミュニケーションに新たな基準を打ち立てる製品です。最大9ユーザー対応と長時間のバッテリー駆動は、中小規模のクルーにとって理想的なソリューションとなるでしょう。騒がしい環境下でのクリアな音声通信は、制作効率と品質の向上に直結し、今後の映像制作において欠かせないツールとなることが期待されます。Accsoonは、このCoMo IIを通じて、現場のニーズに応える実用的な技術革新を提供し続けています。
情報元:CineD

