2027年型アウディRS5試乗レビュー:PHEV化で変貌した二面性

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2027年型アウディRS5がプラグインハイブリッド(PHEV)として登場し、その試乗レビューが公開されました。この新型モデルは、従来の高性能V6エンジンに強力な電動モーターを組み合わせることで、日常での静かで効率的な走行と、サーキットでのアグレッシブなパフォーマンスという、まさに二面性を持つハイパフォーマンスカーへと進化を遂げています。特に注目されるのは、新開発の電動トルクベクタリングリアディファレンシャルがもたらす、かつてないドライビング体験です。

アウディRS5 PHEV:新世代のハイパフォーマンスシステム

アウディスポーツが手掛けた新型RS5は、ブランド初のプラグインハイブリッドモデルとして、パワートレインに大きな変革をもたらしました。これは、F1マシンにも採用されるターボV6エンジンと電動モーターの組み合わせを市販車に落とし込んだもので、アウディの電動化戦略における重要な一歩と言えるでしょう。

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パワートレインの核心:V6ツインターボと強力な電動モーター

新型RS5に搭載される内燃機関は、先代と同じ2.9Lの排気量を持つV6エンジンですが、これは完全に新設計されています。可変ジオメトリーターボチャージャーをホットV型配置(シリンダーバンク間にタービンを配置)とし、空冷式インタークーラーと極限まで短縮された吸気経路を採用。部分負荷時には改良型ミラーサイクルで効率を高めつつ、単体で502馬力(375kW)、600Nmのトルクを発揮します。これは旧型V6と比較して60馬力(45kW)の出力向上と、約20%の燃費改善を両立していると報じられています。

このエンジンに組み合わされるのは、174馬力(130kW)、470Nmを発生する電動モーターです。このモーターは、ZF製の8速オートマチックトランスミッションを介して駆動力を路面に伝えます。エンジンとモーターが協調することで、システム全体では最高出力630馬力(470kW)、最大トルク825Nmという圧倒的なパフォーマンスを実現。これは、数週間前に試乗したRS6アバントに匹敵するパワーであり、その加速性能は想像に難くありません。

日常使いを支えるバッテリーと充電性能

新型RS5のPHEVシステムは、パフォーマンスだけでなく、日常の使い勝手も考慮されています。車両のカーゴフロア下には、正味22kWh(総容量25.9kWh)のリチウムイオンバッテリーが搭載されており、これにより約80km(50マイル)のEV走行が可能とされています。これは、多くのユーザーにとって日々の通勤や買い物で排出ガスゼロ走行を実現するのに十分な距離です。

充電に関しては、PHEVであるためDC急速充電には対応していませんが、最大11kWのAC充電に対応し、バッテリーを完全に充電するのに約2.5時間かかります。これにより、自宅や職場で手軽に充電し、EV走行の恩恵を最大限に享受できる設計となっています。

革新的な電動トルクベクタリングリアディファレンシャル「ダイナミックトルクコントロール」

アウディの高性能モデルといえば、クワトロ四輪駆動システムとトルクベクタリング技術が代名詞です。新型RS5も例に漏れずクワトロシステムを採用していますが、そのリアディファレンシャルには画期的な新技術が導入されました。

従来のトルクベクタリングとの違い

これまでのアウディRSモデル、例えばRS3やTT-RS、R8などでは、個々の後輪に必要に応じてより多くのパワーを供給するために、クラッチを用いたトルクベクタリングリアディファレンシャルが採用されてきました。これにより、車両の旋回性能や安定性が向上し、多くのドライバーから高い評価を得てきました。

しかし、新型RS5では、アウディスポーツが社内で開発した「ダイナミックトルクコントロール」と呼ばれる全く新しいシステムが導入されています。これは油圧クラッチを廃し、8kW、40Nmの電動モーターとプラネタリーギアを組み合わせたものです。この電動モーターは、400Vのトラクションバッテリーから電力を供給されます。

「ダイナミックトルクコントロール」の仕組みと効果

この新システムでは、電動モーターがアクスルの一端に配置され、反対側の駆動サンギアにトルクを伝達します。このサンギアがプラネタリーギアに作用し、最終的に固定されたサンギアとオープンディファレンシャルに接続されます。これにより、リングギアからハーフシャフトへのトルクを加減したり、オープンディファレンシャルにトルクを戻して50:50の均等配分にしたりすることが可能になります。

最大で2,000Nmものトルクをアクスル間で分割できるだけでなく、電動モーターによる制御のため、わずか15ミリ秒という驚異的な速さで反応します。これにより、車両の挙動をニュートラルに保つことも、あるいは意図的にオーバーステアを誘発することも、ドライブモードに応じて自在にコントロールできるようになったのです。この高速かつ精密なトルク配分は、ドライバーにこれまでにないレベルの俊敏性と安定性を提供します。

デザインとシャシーの進化:よりアグレッシブに、より洗練された乗り味へ

新型RS5は、その心臓部だけでなく、外観と足回りにも徹底的な改良が施されています。ベースとなるA5と共通のボディパネルはボンネットのみであり、それ以外はRS5専用のデザインが採用されています。

RSモデルならではのアグレッシブな外観

新型RS5は、ベースのA5と比較して全幅が90mm以上も拡大されたアグレッシブなホイールアーチブリスターが特徴です。フロントフェイスには巨大なエアインテークが配置され、その高性能ぶりを主張。リアには、大型の楕円形エキゾーストパイプがディフューザーに組み込まれています。随所にカーボンファイバーのアクセントが施されており、標準のA5とは一線を画すスポーティさを演出しています。

特に目を引くのは、リアのOLEDテールライトとフロントのデイライトに採用されたチェッカーフラッグパターンです。これはアウディスポーツのモータースポーツへのルーツを象徴する、遊び心と高性能を両立したデザインディテールと言えるでしょう。全体的にワイドでローなスタンスは、真のオールウェザー5シーターパフォーマンスカーとしての存在感を際立たせています。

高性能を支えるシャシーとサスペンション

車両重量はPHEV化に伴い2,350kgと決して軽量ではありませんが、ツインバルブダンパーがこの質量を巧みに制御し、優れた乗り心地とハンドリングを実現しています。21インチのワイドなサマータイヤを装着しながらも、悪天候下での安定性は高く、アウディの高性能モデルが常に提供してきた全天候型パフォーマンスの伝統を受け継いでいます。

インテリアにもカーボンパネルが多用され、アルカンターラとレザーの選択肢が用意されるなど、スポーティかつ上質な空間が広がります。ラゲッジ容量も、後席使用時で331L、後席を倒せば最大1,170Lと、日常使いにも十分な実用性を確保しています。

試乗インプレッション:日常とサーキットで豹変する二面性

実際に新型RS5を試乗した結果、その「二面性」が明確に浮き彫りになりました。公道での洗練された挙動と、サーキットでの獰猛なパフォーマンスは、まさに一台の車が持つとは思えないほどのギャップです。

公道での安定性と快適性

公道では、「Balanced」「Comfort」「Dynamic」といったドライブモードを選択することで、その洗練された乗り味を堪能できます。試乗時は雨や5月下旬にもかかわらず高地での降雪といった悪天候に見舞われたものの、ワイドなサマータイヤと強力なパワー、トルクにもかかわらず、車両の挙動は常に安定していました。これは、アウディのクワトロシステムと新開発の電動トルクベクタリングが、路面状況を問わず極めて高い安定性を提供している証拠です。

ツインバルブダンパーは、この重量級PHEVの質量を効果的に制御し、路面の凹凸をいなしながらも快適な乗り心地を維持します。Dynamicモードでは乗り心地が硬くなり、ステアリングも重くなりますが、公道レベルではその電動トルク配分の巧妙さを意識することはほとんどありません。また、約80kmという十分なEV走行距離と、積極的にエネルギー回生を行うパワートレインにより、長時間の試乗でもバッテリーが枯渇することなく、PHEVとしての恩恵を十分に感じることができました。EV単独での走行時でも、639lb-ftという電動モーターのトルクは車体を軽々と加速させ、静かでスムーズな走行が可能です。

サーキットでのアグレッシブな走り

しかし、新型RS5の真の顔は、サーキットで「RS Sport」モードを選択し、エレクトロニックスタビリティコントロール(ESC)をオフ(または低減)にした時に現れます。公道での穏やかさとは打って変わり、この車はまるで別物のように豹変します。

電動トルクベクタリングリアディファレンシャルが本領を発揮し、リアタイヤを積極的にスライドさせ、意図的にオーバーステアを誘発することが非常に容易になります。少しのアクセルワークで滑らかなドリフトアングルを作り出し、それをスロットルでバランスさせながらコーナーを抜けるといった、高度なドライビングテクニックをドライバーに許容します。そのコントロール性の高さは、アウディスポーツが長年培ってきたモータースポーツのノウハウが凝縮されていることを示しています。

また、ブレーキ性能も特筆すべき点です。摩擦ブレーキを導入する前に、最大限に回生ブレーキを活用することで、効率性を高めつつも強力な制動力を確保しています。この回生と摩擦のシームレスな連携は、PHEVならではのメリットであり、サーキット走行においてもその効果を十分に発揮します。

アウディRS5 PHEVのメリット・デメリットとおすすめユーザー

2027年型アウディRS5 PHEVは、その先進技術とパフォーマンスにより、多くの魅力を持つ一方で、PHEVならではの特性も持ち合わせています。

ユーザーへのメリット

  • 卓越したパフォーマンスと効率の両立: 630馬力という圧倒的なパワーと、約80kmのEV走行距離による日常での高い燃費性能を両立します。
  • 革新的なドライビング体験: 新開発の電動トルクベクタリングリアディファレンシャル「ダイナミックトルクコントロール」により、かつてないレベルの俊敏性とコントロール性を実現。ドライビングモードに応じて、安定した走行からアグレッシブなオーバーステアまで自在に操れます。
  • 全天候型スポーツカーとしての実用性: クワトロシステムと優れたシャシーにより、悪天候下でも高い安定性を維持。日常使いから週末のスポーツ走行まで、シーンを選ばずに楽しめます。
  • 先進的なデザインと上質なインテリア: A5から大幅に差別化されたアグレッシブな外観と、カーボンアクセントを多用したスポーティかつ高級感のある内装が所有欲を満たします。

考慮すべきデメリット

  • 車両重量の増加: PHEVシステムの搭載により、車両重量が2,350kgと増加しています。ツインバルブダンパーで制御されているとはいえ、物理的な重さは存在します。
  • PHEV特有の充電インフラの必要性: EV走行の恩恵を最大限に受けるためには、定期的な充電が必要です。自宅や職場での充電環境が整っていることが望ましいでしょう。
  • トランスミッションの応答性: 8速ZFオートマチックトランスミッションを介して電動パワーが伝達されるため、純粋なEVのような即座のレスポンスとは異なる場合があります。
  • 価格の上昇: 先進的なPHEVシステムと新技術の搭載により、価格は先代モデルよりも高くなる可能性が高いです。

こんな人におすすめ

  • 日常の通勤・買い物はEV走行で経済的に、週末はサーキットで本格的なスポーツ走行を楽しみたい人
  • 最新のPHEV技術と革新的なシャシー制御に興味がある人
  • 全天候で安定した走りを求めるアウディファン、特にRSモデルの進化を体験したい人
  • 高性能と環境性能、実用性を高いレベルで両立したラグジュアリースポーツカーを探している人

よくある質問

2027年型アウディRS5のEV走行距離はどのくらいですか?

約80km(50マイル)のEV走行が可能です。これは、正味22kWhのリチウムイオンバッテリーによって実現されます。

新型RS5のPHEVシステムはどのくらいの出力を持っていますか?

2.9L V6ツインターボエンジンと電動モーターを合わせたシステム最高出力は630馬力(470kW)、最大トルクは825Nm(609lb-ft)です。

新開発の電動トルクベクタリングシステムはどのようなメリットがありますか?

新開発の「ダイナミックトルクコントロール」は、後輪へのトルク配分をわずか15ミリ秒という高速で精密に制御します。これにより、車両の俊敏性や安定性を高め、ニュートラルな挙動から意図的なオーバーステアまで、幅広いドライビングスタイルに対応し、ドライバーにこれまでにないコントロール体験を提供します。

新型RS5の充電時間はどのくらいですか?

最大11kWのAC充電に対応しており、バッテリーを完全に充電するのに約2.5時間かかります。

まとめ

2027年型アウディRS5は、プラグインハイブリッド化と新開発の電動トルクベクタリングリアディファレンシャル「ダイナミックトルクコントロール」の導入により、アウディスポーツの新たな方向性を示すモデルとなりました。日常での静かで効率的なEV走行と、サーキットでの獰猛なパフォーマンスという、相反する特性を高い次元で両立させた「二面性」は、この車の最大の魅力です。

アウディが長年培ってきたクワトロ技術と、F1にも通じる電動化技術の融合は、ハイパフォーマンスカーの未来を予感させます。重量増というPHEVの課題を先進的なシャシー技術で克服し、ドライバーに新たなドライビングプレジャーを提供する新型RS5は、今後のアウディスポーツモデルの指標となるでしょう。

情報元:arstechnica.com

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