北海道の知られざる魅力:Sony α7 Vで切り取る絶景と食の旅

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日本の写真映像展示会「CP+」の取材を終えた後、多くの人が訪れる東京や京都とは異なる、日本の知られざる北の地域を巡る旅が敢行されました。この旅では、事前の綿密な計画を避け、その場で出会う風景や文化、食をありのままに捉えることに重点が置かれました。特に北海道とその周辺地域に焦点を当て、Sonyの最新カメラ「Alpha 7 V(α7 V)」を携え、その高性能を最大限に活用した撮影が試みられました。本記事では、このユニークな旅の軌跡をたどりながら、α7 Vがどのように旅の体験を豊かにし、北海道の多様な表情を写真に収めたのかを深く掘り下げていきます。

CP+取材から北日本へ:新たな発見を求めて

横浜で開催されたCP+での取材を終えた後、旅の選択肢は二つありました。一つはそのまま帰路につくこと、もう一つは旅を延長し、日本の別の場所を訪れること。選ばれたのは後者、東京よりも北、特に北海道を目指す旅でした。この決断の背景には、一般的な観光ルートでは見過ごされがちな、日本の多様な側面を発見したいという強い思いがありました。

旅のスタイルは、あえて詳細な計画を立てないというものでした。事前に撮影リストを作成したり、特定の瞬間を追い求めたりするのではなく、訪れる場所で何が待っているのかを肌で感じ、その場のインスピレーションに従ってシャッターを切る。特にほとんど知識のない都市を巡る上では、このアプローチが最も適していると感じられたといいます。

この旅の主要な撮影機材として選ばれたのは、Sony α7 Vでした。筆者は6年以上にわたりSonyシステムを愛用しており、普段はα7R Vを使用しているため、α7 Vはすぐに手になじみつつも、新鮮な感覚をもたらしたと評価されています。写真撮影だけでなく、動画撮影にも幅広く対応できる汎用性が、旅のあらゆる場面でその真価を発揮しました。持参したレンズは、Sony 28-70mm f/2 GM、Sony 50-150mm f/2 GM、そしてSony 16-35mm f/2.8 GM IIの3本。これらのGMレンズは、優れた描写性能と幅広い焦点距離をカバーし、旅先での多様な撮影シーンに対応しました。

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岩手・盛岡:地域に根差した三大麺の魅力

北海道への旅の途中で最初に立ち寄ったのは、岩手県盛岡市でした。盛岡は北海道ではありませんが、北へと向かう重要な中継地点です。この都市は、それぞれ異なる起源を持つ三つの名物麺料理で知られています。旅人たちは、この三大麺を一日で全て味わうという挑戦に挑みました。

盛岡が麺文化の中心となった背景には、地理的な要因があります。冷涼な気候のため稲作には不向きであり、代わりに小麦や蕎麦などの耐寒性のある穀物が主要な作物として栽培されてきました。最初に味わったのは「盛岡冷麺」で、これは朝鮮半島の冷麺(ネンミョン)にルーツを持つ料理です。第二次世界大戦後に盛岡に移住した朝鮮半島出身者が、地元の食材を使ってこの料理をアレンジしたのが始まりとされています。特に、蕎麦粉の代わりにジャガイモのでんぷんを使用することで、透明感があり、独特の弾力を持つ麺が生まれました。

次に体験したのは「わんこそば」です。これは、給仕人が小さな器に入った蕎麦を次々と提供し、客が満腹になるまで食べ続けるというユニークな食文化です。様々な薬味と共に提供されますが、そのペースの速さから、食べることに集中せざるを得ない状況に陥ります。一杯が通常の蕎麦の一食分に相当するとされており、この旅では筆者が34杯、同行者が14杯を完食しました。この体験はあまりにも集中したため、残念ながら写真に残すことはできなかったものの、その記憶は鮮明に残っています。

盛岡での一日を締めくくったのは「盛岡じゃじゃ麺」でした。これは中国の炸醤麺(ジャージャー麺)を日本風にアレンジしたもので、太くてもちもちとした麺に、味噌ベースの肉味噌ソースが絡まります。食べ終わった後には、残ったソースに生卵を割り入れ、熱湯を注いでスープとして味わうという独特の締め方があります。この三つの麺料理を巡る体験は、旅人たちを心から満腹にさせ、盛岡の豊かな食文化を深く印象付けました。

北海道・函館:異国情緒と息をのむ夜景

盛岡での食の冒険を終えた翌朝、一行は新幹線に乗り込み、北海道の函館へと向かいました。約2時間半の道のりには、世界最長の海底鉄道トンネルである青函トンネルを25分間通過する区間も含まれており、海の下を移動するという貴重な体験ができました。トンネル内では景色を楽しむことはできませんが、その技術的な偉業に思いを馳せる時間は、旅の一部として印象的でした。

函館は1850年代に日本で初めて外国貿易のために開港された港の一つであり、その歴史は今も街の建築や景観に色濃く残っています。訪れた他のどの日本の都市とも異なり、旅人たちが想像していた「日本」のイメージとは異なる、独特の異国情緒を醸し出していました。このような多様な風景を捉える上で、Sony 28-70mm f/2 GMレンズは非常に重宝されました。この一本で日中のあらゆるシーンに対応でき、レンズ交換の手間なく、一日中歩きながら撮影を楽しむことができたと評価されています。

昼食には、Googleマップで偶然見つけた店で「おばんざい」を堪能しました。おばんざいは京都の伝統的な家庭料理で、旬の食材をシンプルに調理するスタイルが特徴です。この偶然の出会いは、旅全体で最高の食事の一つとなり、小皿料理、旬の野菜、新鮮な魚の味わいは、旅の記憶に深く刻まれました。これらの料理の写真は、SNSに投稿するためではなく、個人的な思い出として残すために撮影されました。写真を撮る行為が、単なる記録ではなく、未来の自分への記憶の保存手段であるという、筆者の写真に対する哲学が垣間見えます。

その日の夜には、函館山へと向かいました。函館山からの夜景は、日本三大夜景の一つとして広く知られています。市街地が両側を海に挟まれた細長い半島に位置しているため、山頂から見下ろすと、街の明かりが暗い海に浮かび上がる砂時計のような印象的な形を形成します。この夜景撮影では、28-70mmレンズから50-150mmレンズに交換し、遠くの光景を鮮明に捉えることに成功しました。

翌朝は早起きをして、地元の魚市場を訪れました。北海道を訪れる際には、どこの都市でも魚市場の見学は必須とされています。市場内には、生きたイカを釣り上げ、その場で刺身にしてくれるユニークな店もありました。まだ午前8時にもかかわらず、旅人たちはこの旅で最初の海鮮丼を味わい、北海道ならではの新鮮な海の幸を堪能しました。

小樽と札幌:対照的な都市の表情と雪景色

函館での充実した時間を過ごした後、一行は小樽で再び海鮮丼を味わい、その後列車で札幌へと向かいました。札幌は、今回の旅の最終目的地であり、そこから東京、そして自宅へと帰る予定でした。小樽はかつて北海道の主要な港湾都市でしたが、現在はその賑わいは落ち着き、静かで落ち着いた雰囲気が漂っています。ここでも特定の計画を立てず、街を散策し、日が暮れるまで写真を撮り続けました。普段は夜間撮影をあまり行わない筆者ですが、α7 Vの夜間動画性能に興味を抱き、試してみたところ、その低照度性能に驚かされました。旅の中でも特に印象的な動画クリップのいくつかは、この小樽で撮影されたものです。

札幌は、東京を凝縮したような、活気とエネルギーに満ちた本格的な都市です。一週間近く小さな町や静かな通りを巡ってきた後では、札幌の賑わいはまるで「現実の世界」に戻ってきたような感覚を与えましたが、それは今まで見たことのない新しい世界のようでもありました。日中は街を探索し、夕方には山頂の展望台から夕日とブルーアワーの美しい景色を楽しみました。

当初の計画にはなかったものの、市内からわずか40分の場所に小さなスキーリゾートがあることを知り、急遽スノーボードを体験することにしました。筆者にとってスノーボードは前年の12月に始めたばかりの新しい趣味であり、二度目のスノーボードが日本の北海道という場所であったことは、非常にシュールな体験でした。天候は最高とは言えませんでしたが、雪質はまさに絶品。北海道の雪の伝説は嘘ではなかったと実感しました。さらに、一度もエッジを引っかけることなく滑りきれたことは、大きな達成感をもたらしました。

Sony α7 Vが旅にもたらす表現の自由

今回の北海道を巡る旅において、Sony α7 Vは単なる記録ツール以上の役割を果たしました。筆者が普段使用しているα7R Vとは異なる特性を持つα7 Vは、その汎用性と信頼性で旅のあらゆる瞬間に寄り添いました。

写真と動画の垣根を越えるα7 Vの性能

α7 Vは、写真撮影はもちろんのこと、動画撮影においても優れたパフォーマンスを発揮しました。特に小樽での夜間撮影では、その低照度性能が際立ち、肉眼では捉えにくい暗い環境下でも、鮮明で美しい映像を記録することができました。これにより、旅の思い出を写真だけでなく、動きのある映像としても豊かに残すことが可能になりました。α7 Vの操作性は、長年Sonyシステムを使用している筆者にとって非常に馴染み深く、設定に迷うことなく直感的に撮影に集中できた点も、旅の体験を妨げない重要な要素でした。

GMレンズ群が拓く多様な表現

旅に持参した3本のGMレンズ(Sony 28-70mm f/2 GM、50-150mm f/2 GM、16-35mm f/2.8 GM II)は、それぞれのシーンで最適な描写力を発揮しました。28-70mm f/2 GMは、函館の異国情緒あふれる街並みを一日中歩きながら撮影する際に、その汎用性の高さで活躍しました。広角から標準域をカバーし、F2という明るさは、薄暗い室内や夕暮れ時でも手持ち撮影を可能にしました。

函館山からの夜景撮影では、50-150mm f/2 GMがその望遠性能を発揮し、遠くの街の明かりをクリアに切り取りました。F2の明るさは、夜景の光を美しく捉える上で大きなアドバンテージとなりました。また、16-35mm f/2.8 GM IIは、広大な北海道の風景や、室内での限られたスペースでの撮影において、その広角性能で空間の広がりを表現するのに貢献しました。これらのレンズは、α7 Vの高性能センサーと組み合わせることで、旅のあらゆる瞬間を高品質な北海道の写真として記録することを可能にしました。

旅のスタイルと機材選択の関連性

計画に縛られない旅のスタイルにおいて、カメラの選択は非常に重要です。α7 Vは、その堅牢性と信頼性、そして写真と動画の両方に対応できる柔軟性から、まさにこの旅に最適な機材でした。予期せぬ出会いや突然のシャッターチャンスにも即座に対応できる性能は、旅の発見をそのまま写真や映像として残す上で不可欠でした。機材が旅の体験を邪魔することなく、むしろその瞬間をより深く味わうためのツールとして機能したことが、この旅の成功に大きく寄与したと言えるでしょう。

計画を超えた旅の価値:写真が紡ぐ記憶

今回の旅を振り返ると、最も印象的だった瞬間の多くは、事前に地図に印をつけていた場所ではありませんでした。盛岡での三大麺を巡る一日、函館で偶然見つけたおばんざいの昼食、早朝の市場で味わった刺身、そして急遽決まったスノーボードの日々。札幌の空港でコーンパンを求めて1時間半並んだ時間さえも、その瞬間を大切にする旅の醍醐味でした。このような予期せぬ出来事や偶然の出会いが起こる余地を残すことこそが、旅の真の価値であると筆者は述べています。

日本は、多くの人が訪れる東京や京都、大阪といった都市だけではありません。その北には、独自の食文化、豊かな歴史、そして独特の風情を持つ都市が広がっており、その多くは観光客にあまり知られていません。厳密な計画を持たずに旅に出ることで、これらの地域の発見がよりリアルなものとなりました。何が「あるべき姿」なのかを知らないからこそ、目の前にあるものを真剣に見つめ、その本質を捉えようとする。この姿勢が、旅の体験をより深く、そして写真表現をより豊かなものにしたのです。

旅の途中で撮影された写真は、単にオンラインで共有するためだけのものではありませんでした。それは、未来の自分自身が思い出を振り返るための、個人的な記憶の保存手段でもありました。写真を撮る行為が、その瞬間の感情や体験を鮮明に刻み込み、時が経っても色褪せることのない宝物となることを、この旅は改めて教えてくれました。もし、東京、京都、大阪といった主要都市を既に訪れ、次にどこへ行こうかと考えているのであれば、ぜひ北日本、特に北海道へと足を延ばしてみてはいかがでしょうか。そこには、まだ見ぬ日本の魅力が、あなたの発見を待っています。

こんな人におすすめ

  • 北海道の多様な魅力を写真に収めたいフォトグラファー
  • 東京や京都以外の、日本の知られざる地域を探訪したい旅行者
  • Sony α7 Vの購入を検討しており、その実用性を知りたい人
  • 計画に縛られず、偶然の出会いを大切にする旅のスタイルに興味がある人

よくある質問

Sony α7 Vは旅行用カメラとしてどのような点が優れていますか?

Sony α7 Vは、その軽量でコンパクトなボディと、写真・動画両方で優れた性能を発揮する汎用性の高さが旅行用カメラとして非常に優れています。特に、高感度性能に優れているため、夜景や薄暗い室内など、光量の少ない場所でも手持ちで美しい写真を撮影しやすい点が魅力です。また、信頼性の高いオートフォーカスシステムと直感的な操作性も、予期せぬシャッターチャンスを逃さないために重要です。

北海道旅行で持っていくべきレンズは?

北海道の旅では、広大な自然風景から都市の街並み、そして料理まで、多様な被写体に対応できるレンズが理想的です。記事中で使用されたSony 28-70mm f/2 GMのような標準ズームレンズは、幅広いシーンをカバーできるため、一本持っていると非常に便利です。また、函館山からの夜景のように遠くの被写体を捉えたい場合は、50-150mm f/2 GMのような望遠ズームレンズが役立ちます。広角で雄大な風景を収めたい場合は、16-35mm f/2.8 GM IIのような広角ズームレンズもおすすめです。旅の目的に合わせて、これらのレンズを組み合わせるのが良いでしょう。

計画なしの旅で良い写真を撮るコツは?

計画なしの旅で良い写真を撮る最大のコツは、「目の前にあるものを注意深く観察し、その瞬間の感情を大切にすること」です。事前に完璧な構図を考えすぎず、その場の光、色、人々の様子、空気感を肌で感じ取り、直感的にシャッターを切ることが重要です。また、カメラの設定を素早く変更できるよう、普段から操作に慣れておくことも大切です。予期せぬ出会いやハプニングも、旅の醍醐味として受け入れ、それを写真に収めることで、よりパーソナルで記憶に残る作品が生まれるでしょう。

まとめ

今回の北海道を巡る旅は、単なる観光旅行ではなく、日本の知られざる魅力を再発見する冒険でした。盛岡の個性豊かな麺料理、函館の異国情緒と壮大な夜景、小樽の静寂、そして札幌の活気と雪景色。それぞれの場所が持つ独自の文化や風景が、旅人たちに深い感動を与えました。Sony α7 Vは、その優れた性能と汎用性で、これらの多様な瞬間を写真や動画として鮮やかに記録し、旅の体験をより豊かなものにしました。計画に縛られない旅のスタイルは、偶然の出会いや発見の喜びをもたらし、写真が単なる記録ではなく、個人的な記憶を紡ぐ大切な手段であることを改めて教えてくれます。東京や京都といった定番の観光地を巡った後、新たな日本の魅力に触れたいと願う旅行者にとって、北海道はまさに理想的な次の目的地となるでしょう。

情報元:PetaPixel

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