革新的な光学設計で知られるLaowa(ラオワ)が、NAB Show 2026において、映像業界に新たな風を吹き込む最新のシネマおよび放送用レンズ群を発表しました。特に注目されるのは、世界初となるパーフォーカルズームスーパーマクロレンズ「Axon」シリーズ、高倍率を誇る「Ultima Broadcast Zoom」レンズ、そして世界最広角の「Probe Zoom」シリーズです。これらの新レンズは、特殊撮影から放送現場、科学分野に至るまで、幅広い映像制作のワークフローに変革をもたらす可能性を秘めています。
映像制作の常識を覆す!世界初のパーフォーカルズームスーパーマクロ「Axon」シリーズ
Laowaが今回発表した「Axon 45mm f/2.8 Ultra Macro 1-5x APO」と「Axon 17.5mm f/1.7 5-10x Ultra Macro APO」は、マクロ撮影の概念を根本から覆す画期的なレンズです。これらのレンズは、ズーム全域でワーキングディスタンス(被写体とレンズ先端の距離)を固定するという、世界初の「パーフォーカルズームスーパーマクロ」技術を搭載しています。

従来のズームレンズでは、ズーム操作を行うと焦点が移動するため、再フォーカスが必要でした。さらに、マクロ撮影においては、倍率を変更するたびにカメラの位置を物理的に動かしてワーキングディスタンスを調整する必要があり、これは非常に手間のかかる作業でした。しかし、Axonシリーズではこの課題が完全に解消されます。
ワーキングディスタンスが固定されることで、撮影者はカメラを物理的に再配置することなく、1倍から5倍、あるいは5倍から10倍へとシームレスにズームイン・アウトが可能です。これにより、レンズが被写体に衝突する「レンズクラッシュ」のリスクが排除され、またデリケートな被写体に影を落とす心配もなくなります。この技術は、テーブルトップ撮影、医療映像、科学研究といった精密なマクロ撮影が求められる分野において、ワークフローを劇的に改善し、これまで不可能だった映像表現を可能にするでしょう。
マクロ撮影の常識を覆す「パーフォーカルズーム」の真価
「パーフォーカル」とは、ズーム操作を行っても焦点が移動しない特性を指します。通常、この特性は放送用レンズや一部のシネマレンズに求められるものでしたが、Laowaはこれをスーパーマクロレンズに応用しました。これにより、マクロ撮影における「ズームと同時にピントがずれる」という長年の課題が解決され、より直感的で効率的な撮影が可能になります。
特に、被写界深度が極めて浅くなるスーパーマクロ領域では、わずかなピントのズレも致命的です。Axonシリーズは、この問題を解決しつつ、さらにワーキングディスタンスまで固定することで、マクロ撮影の難易度を大幅に引き下げ、クリエイターが表現に集中できる環境を提供します。これは、映像業界におけるマクロ撮影の新たなスタンダードを確立する可能性を秘めています。
ライブイベントから野生動物まで!高倍率を誇る「Ultima Broadcast Zoom」
Laowaは、高倍率ズームレンズ市場にも参入し、ライブイベント、スポーツ、野生動物の撮影といった要求の厳しい現場向けに設計された2つの多用途なシネマスタイル放送用レンズ「Ultima Broadcast Zoom」シリーズを発表しました。

- Ultima 25-180mm T3.8 FF Broadcast Zoom: フルフレーム対応のこのレンズは、定常絞り、抑制されたフォーカスブリージング、そして真のパーフォーカル性能を特徴とする高性能モデルです。幅広い焦点距離をカバーし、多様な撮影シーンに対応します。
- Ultima 25-600mm T4 S35 Broadcast Zoom: 驚異的な24倍のズーム比を誇るこのS35フォーマット対応レンズは、低フォーカスブリージングとパーフォーカル性能を提供し、長距離撮影において高性能かつコスト効率の高いソリューションを提供します。
これらのレンズは、放送現場で求められる高い光学性能と信頼性を兼ね備えています。特に25-600mm T4 S35は、その広範なズームレンジにより、遠く離れた被写体を鮮明に捉えることができ、スポーツ中継や野生動物ドキュメンタリー制作において、カメラマンに大きな自由度と柔軟性をもたらします。高価な放送用レンズの代替として、より多くの制作現場で高品質な映像制作を可能にするでしょう。
視覚表現を拡張する!世界最広角「Probe Zoom」の進化
Laowaの代名詞ともいえる「Probe Lens」シリーズにも、新たな進化が見られます。NAB 2025でプロトタイプとして初公開された「15-24mm T8」と「15-35mm T12」のProbe Zoomレンズが、NAB 2026で製品版としてデビューします。これらは、現在市場で入手可能なプローブズームレンズの中で最も広角なズームレンジを提供します。

Laowaの特徴である細長い鏡筒デザインは健在で、これによりレンズは狭い場所や手の届きにくい空間にも容易にアクセスできます。広範な焦点距離と広角視野は、ドラマチックで滑らかなズーム効果と正確な遠近感制御を可能にし、これまでにない視覚表現をクリエイターにもたらします。例えば、ミニチュアの世界に入り込んだような映像や、製品の内部構造をダイナミックに見せる映像など、創造性を刺激する多様な表現が期待できます。
NAB 2026では、LaowaはMotorized Precisionと提携し、高度なモーションコントロールワークフローにおけるProbe Zoomの能力をデモンストレーションする予定です。これにより、ハイエンドの映画制作現場での活用がさらに促進されることでしょう。
Laowa新レンズが切り拓く映像表現の未来とユーザーへの影響
今回発表されたLaowaの新しいレンズ群は、それぞれの分野で映像制作の可能性を大きく広げるものです。特に「Axon」シリーズのパーフォーカルズームスーパーマクロ技術は、マクロ撮影における技術的な障壁を劇的に低減し、より多くのクリエイターがこの魅力的な世界に挑戦できるようになるでしょう。医療、科学、製品撮影といった分野では、これまで以上に効率的かつ高品質な映像記録が可能になります。
「Ultima Broadcast Zoom」シリーズは、高価な放送用レンズの選択肢を広げ、特に24倍ズームの25-600mm T4 S35は、予算に制約のある制作現場でもプロフェッショナルな長距離撮影を実現します。これにより、スポーツ中継や野生動物ドキュメンタリーの制作において、より多様なアングルからの撮影や、遠くの被写体を鮮明に捉えることが容易になります。
また、「Probe Zoom」シリーズの進化は、特殊撮影の領域に新たな視点をもたらします。世界最広角のズームレンジと細長い鏡筒は、これまでカメラが入り込めなかった場所からの撮影を可能にし、映像に驚きと奥行きを与えます。広告、ミュージックビデオ、アートフィルムなど、創造性を追求するプロジェクトにおいて、唯一無二の映像表現を生み出す強力なツールとなるでしょう。
Laowaの新レンズはこんなクリエイターにおすすめ
- Axonシリーズ: 精密なテーブルトップ撮影を行う広告クリエイター、医療・科学分野の研究者や映像制作者、昆虫や植物などの自然物を深く掘り下げたいマクロ写真家・映像作家。
- Ultima Broadcast Zoomシリーズ: ライブスポーツ中継やコンサート、野生動物ドキュメンタリーを制作する放送局やプロダクション、遠距離からの高画質撮影を求めるイベント撮影チーム。
- Probe Zoomシリーズ: 独特の視点や没入感のある映像を追求する映画監督、ミュージックビデオクリエイター、製品の内部構造やミニチュアの世界を魅力的に見せたい広告制作者。
まとめ
LaowaがNAB Show 2026で発表した一連のレンズは、単なる新製品の投入に留まらず、映像制作の未来を形作る重要な一歩と言えます。世界初のパーフォーカルズームスーパーマクロ「Axon」シリーズはマクロ撮影の常識を覆し、高倍率「Ultima Broadcast Zoom」は放送現場の選択肢を広げ、そして世界最広角「Probe Zoom」は特殊撮影の可能性を無限に拡張します。これらの革新的な光学技術は、プロの映像クリエイターに新たな表現の自由と効率性をもたらし、今後の映像業界の発展に大きく貢献することでしょう。
情報元:Canon Rumors

