ついにキヤノンから、映像制作の常識を覆すコンパクトシネマカメラ「EOS C50」が登場しましたが、CineDがEOS C50の試作機を使用したレビューを公開しました。
以下に内容を要約しますが、元記事を読まれることをおすすめいたします。
キヤノン EOS C50とは?市場を揺るがすコンパクトシネマカメラ
EOS C50は、キヤノンのCINEMA EOS SYSTEM史上、最もコンパクトなボディにプロ向けの機能を凝縮した一台です。その最大の特徴は、圧倒的なコストパフォーマンス。これまでハイエンド機でしか実現できなかったスペックを、多くのクリエイターが手に届く価格帯で実現したことで、市場に衝撃を与えています。
EOS C50の注目すべき5つの特徴
EOS C50がなぜこれほど注目されているのか、その核心となる5つの特徴を見ていきましょう。
1. 新開発7Kフルフレームセンサーと内部RAW記録
最大の目玉は、新開発の7Kフルフレームセンサーです。これにより、クロップされることなくセンサーの能力を最大限に活かした最大7K 30Pの12bit Cinema RAW Light内部記録を実現。ポストプロダクションでのカラーグレーディングに絶大な自由度をもたらします。
2. 縦動画にも強い「3:2オープンゲート」対応
SNSやデジタルサイネージなど、縦型動画の需要が高まる現代において「オープンゲート」機能は非常に強力です。センサーの全領域(3:2)を使って記録することで、撮影後に横長(16:9)や縦長(9:16)など、様々なアスペクト比に自由に切り出す(リフレームする)ことが可能です。
3. アナモフィックレンズに完全対応
オープンゲート記録は、アナモフィックレンズとの相性も抜群です。レンズで圧縮された映像を、カメラ内で正しく表示する「デスクイーズ機能」(x1.3, 1.5, 1.8, 2x対応)を標準搭載。シネマティックな映像表現を強力にサポートします。
4. プロの現場に応える信頼性と操作性
- XLRトップハンドル付属: プロ品質の音声収録に欠かせないXLR端子付きのハンドルが標準で付属します。
- 高い冷却性能: 長時間の撮影でも熱停止の心配が少ない、信頼性の高い冷却ファンを内蔵。
- デュアルゲインISO: ISO 800とISO 6400をベース感度とし、暗い場所でもノイズの少ないクリアな映像を撮影できます。
5. 痒い所に手が届くプロ向け機能
シャッタースピードの代わりに「シャッター角度」で設定できたり、フリッカーを抑える「クリアスキャン」機能が搭載されていたりと、プロの映像制作者が求める細かな機能が網羅されています。
【徹底比較】EOS C50 vs ソニー FX3 どちらを選ぶべきか?
多くの方が最も気になるのが、ソニーFX3との違いでしょう。以下の比較表と解説を参考に、あなたに最適な一台を見つけてください。
機能 | Canon EOS C50 | Sony FX3 |
解像度 | 7K (オープンゲート) | 4K |
RAW記録 | 内部記録 (12bit) | 外部記録のみ (16bit) |
オープンゲート | 対応 (3:2) | 非対応 |
手ぶれ補正 | デジタルIS | 光学式 (IBIS) |
EVF | なし | なし |
価格 | FX3より安価 | C50より高価 |
その他 | XLRハンドル付属 | 実績・レンズの豊富さ |
Google スプレッドシートにエクスポート
EOS C50が優れている点
画質と柔軟性で選ぶならEOS C50です。7K解像度、内部RAW記録、オープンゲート対応は、映像のクオリティと編集の自由度を最優先するクリエイターにとって大きな魅力です。価格が抑えられている点も、強力なアドバンテージと言えるでしょう。
ソニー FX3が優れている点
機動力と安定性で選ぶならFX3に軍配が上がります。強力なボディ内手ぶれ補正(IBIS)は、手持ち撮影やワンマンオペレーションで絶大な効果を発揮します。また、発売から時間が経っているため、対応アクセサリーやノウハウが豊富な点も安心材料です。
購入前に知っておきたいEOS C50の2つの注意点
EOS C50は非常に魅力的なカメラですが、完璧ではありません。購入後に後悔しないために、以下の点は必ず把握しておきましょう。
1. EVFとIBIS(ボディ内手ぶれ補正)の非搭載
最大の弱点は、EVF(電子ビューファインダー)とIBISが搭載されていないことです。特にIBISがないため、手持ちでの安定した撮影にはジンバルやリグなどの機材が推奨されます。
2. 特定モードでの機能制限
高性能な反面、一部の撮影モードでは機能が制限される場合があります。例えば、「3:2オープンゲート RAW記録」中はデジタル手ぶれ補正が機能しません。 このように、使いたい機能の組み合わせによっては制約が発生する「ブランケット効果」があることを覚えておく必要があります。
まとめ:キヤノン EOS C50は映像制作の新たなスタンダードになるか?
キヤノン EOS C50は、「画質と将来性」を重視するクリエイターにとって、間違いなく最高の選択肢の一つです。
IBIS非搭載という明確な弱点はあるものの、それを補って余りある7K RAWやオープンゲートといった先進的な機能は、これからの映像制作のスタンダードを変えるほどのポテンシャルを秘めています。特に、圧倒的なコストパフォーマンスは、これまで価格でハイエンド機を諦めていた多くの人々の扉を開くことになるでしょう。
こんな方におすすめ
- シネマティックな映像を追求したい方
- 縦型動画など多様な納品フォーマットに対応する必要がある方
- コストを抑えつつ最高の画質を手に入れたい方
- すでにジンバルなど手ぶれ対策の機材を持っている方
ソニーFX3のほうがおすすめな方
- 手持ち撮影がメインで、強力な手ぶれ補正を最優先する方
- 豊富なEマウントレンズ資産を活かしたい方
- 写真と動画の両方を高いレベルで撮影したい方
EOS C50の登場により、コンパクトシネマカメラ市場は新たな時代を迎えました。あなたの制作スタイルに合う一台を選び、新しい映像表現の世界を切り拓いてください。
