対戦格闘ゲーム『ストリートファイター6』(以下、スト6)の公式世界大会「CAPCOM CUP 12」(以下、CC12)に続き、チームリーグ戦「ストリートファイターリーグ ワールドチャンピオンシップ 2025」(以下、SFL:WC2025)が両国国技館で開催されました。この世界最高峰の舞台で、日本代表チーム「REJECT」が見事優勝を果たし、世界最強の座を掴み取りました。
本記事では、優勝メンバーであるときど選手、LeShar選手、ふ~ど選手、ウメハラ選手への囲みインタビューの模様をお届けします。彼らが激戦をどのように乗り越え、どのような戦略と心境で臨んだのか、その舞台裏に迫ります。
SFL世界王者に輝いたREJECT、安堵と感謝の言葉
「SFL」は、日本、アメリカ、ヨーロッパの3地域で展開される公式チームリーグ戦です。今回開催された「SFL:WC2025」では、各地域のリーグを制した日本代表「REJECT」、アメリカ代表「Bandits Gaming」、ヨーロッパ代表「Ninjas in Pyjamas」が世界一の栄冠をかけて激突しました。
見事優勝を飾ったREJECTのメンバーは、まずその率直な心境を語りました。ときど選手は「ほっとしています。嬉しい気持ちももちろんありますが、それ以上にほっとしたという気持ちがとても強いですね」と、長期間にわたる練習と真剣な取り組みが実を結んだことへの安堵を表明。また、ファンへの感謝として「ゲームセンターでプレイしていた頃を思うと、こうしてゲームを仕事にできているのは、皆様のご支援があってこそなので、本当にありがとうございます」と、eスポーツシーンを支えるコミュニティへの深い感謝を述べました。
来シーズンへの展望と因縁の対決
今回の優勝により、REJECTのメンバーは来年の「カプコンカップ13」出場権も獲得しました。来シーズンの活動について、各選手はそれぞれの考えを明かしました。
- ウメハラ選手:「例年よりはさすがに参加数が減るかなとは思っています。今シーズンは誰よりも海外に回っているぐらいの頻度で参加していましたが、今年はさすがになさそうだと思っています。ただ、気を抜かずに頑張りたいと思います。」
- ふ~ど選手:「自分も優勝したらあまり海外大会を回りたくないなと思っていましたが、いざシーズンが始まると、大会を回っている選手はみんな楽しそうにしているので、なんやかんやそれなりに行くんじゃないかなと思っています。今の気持ちは、そんなに行く気はないです(笑)。」
- ときど選手:「自分は全部行きます。」
- LeShar選手:「いったん韓国に戻って休みます。そこで練習しながらも、余裕がある時にまたプレミア大会に出場すると思います。」
また、ウメハラ選手とMenaRD選手の対戦は、事前に想定されていたカードだったことが明かされました。ときど選手は「2人のエドが前に出た時点で、たぶん皆さんも察するだろうなとも思っていました」と語り、MenaRD選手もこの対戦を覚悟していた様子。惜しくも敗れたウメハラ選手ですが、10本先取の「10先」形式であれば「自信はあります」と語り、今後の因縁の対決に期待が高まります。
チームオーダーとLeShar選手の決断
REJECTの戦略面では、ときど選手のJP一本での出場や、チーム内のエド使い2人の運用が注目されました。ときど選手は「今回のワールドに関しては、JP一本でした。相手が特殊なキャラクターを出してきたらまた別だったかもしれませんが、事前に相手の取り組みなども見えたうえで、今回はJP一本だろうなと思って臨みました」と、徹底した準備があったことを示唆しました。
特に印象的だったのは、LeShar選手の「CC12」をある程度諦め、「SFL」に集中したという発言です。「僕にとって今年が日本リーグ最後なので、個人戦で負けても『SFL』で勝てたら嬉しいな、と思っていました。なので、個人戦の練習はあまりしていませんでした」と、チーム戦への強いコミットメントを明かしました。日本リーグ最後のシーズンへの思いについては「正直に言うと、苦しかったです。ずっとここで戦い続けて、練習し続けるのは。正直、あとで後悔してもいいから早く終わらせたい、と思うこともありました。でも、結果が良かったので良かったです」と、その葛藤と達成感を語りました。
プロゲーマーの覚悟とチームの絆
個人戦とチーム戦の両立は、プロゲーマーにとって大きな課題です。ときど選手は個人戦での早期敗退がチーム戦への切り替えを容易にしたと語る一方、ふ~ど選手は「練習が大変でしたね。どこに比重を置くべきかをずっと考えながらやっていました」と、その苦労を吐露しました。LeShar選手が「SFL」に全てを賭けたように、プロとしての覚悟と目標設定が、彼らのパフォーマンスを大きく左右したことが伺えます。
日本リーグ最後の試合を終えたLeShar選手は、チームメイトとの別れを惜しみつつも、「僕には本当にいい思い出になりましたし、本当に家族みたいな存在なので寂しさはあります。でも、今がちょうどいいタイミングなんじゃないかなと思います」と、REJECTでの活動が彼にとってかけがえのない経験となったことを示しました。
まとめ:REJECTの優勝が示すeスポーツの未来
REJECTの「SFL:WC2025」優勝は、単なる勝利以上の意味を持ちます。ベテランと若手が融合したチームが、緻密な戦略と個々の覚悟を持って世界を制したことは、日本のeスポーツシーンに大きな希望を与えました。特にLeShar選手のように、特定の目標に集中し、そのために個人戦を諦めるという決断は、プロゲーマーとしての新たな戦略の可能性を示唆しています。
彼らの激闘の裏には、想像を絶する練習量と精神的なプレッシャー、そして何よりもチームとしての強い絆がありました。ときど選手が語ったように、明後日には『スト6』に調整が入る予定であり、eスポーツの環境は常に変化し続けます。REJECTの優勝は、今後の『ストリートファイター6』eスポーツシーンがさらに熱く、ドラマチックになることを予感させるものでした。

