この記事のポイント
- 中一光学がフルサイズおよびビスタビジョン対応のシネレンズ「Zone T1 FF」シリーズを発表しました。
- 35mm、50mm、75mmの3本全てがT1.0という驚異的な明るさを実現しています。
- 幻想的なボケとシネマティックなフレアで、プロの映像制作に新たな表現の可能性をもたらします。
中一光学(Zhongyi Optics)は、フルフレームおよびビスタビジョン対応のシネレンズ「Dreamy Zone T1 FFシネレンズシリーズ」を正式に発表しました。この新シリーズは、35mm、50mm、75mmの3種類の焦点距離で構成され、いずれもT1.0という極めて明るい開放F値を誇ります。プロフェッショナルな映像クリエイター向けに設計されており、単体価格は2,499米ドル、3本セットでは6,999米ドルで提供されます。Indiegogoでのキャンペーン終了後、2026年8月20日より公式サイトおよび世界中の正規販売代理店を通じて順次販売が開始される予定です。
中一光学 Zone T1 FF シネレンズの主要特徴
「Zone T1 FF」シリーズは、その卓越した光学性能と堅牢な設計により、現代の映像制作現場における多様なニーズに応えることを目指しています。特に、T1.0の超大口径は、低照度下での撮影や、被写体を際立たせるための浅い被写界深度表現において、クリエイターに大きな自由度をもたらします。
圧倒的なT1.0の明るさと描写力
本シリーズの最大の特長は、全レンズが実現するT1.0の明るさです。これにより、暗い環境でも豊かな映像を捉えることが可能となり、デジタルセンサー特有の冷たい描写に有機的で温かみのある質感を与えます。撮影者は、極めて薄い被写界深度を自在に操り、被写体を詩的に浮かび上がらせることができます。16枚の絞り羽根は、絞り込んだ状態でも完璧な円形のボケを維持し、背景をデジタル的なものではなく、豊かで有機的なテクスチャとして描写します。
ビスタビジョン対応の広大なイメージサークル
Zone T1 FFシリーズは、ビスタビジョンシネマトグラフィを念頭に置いて設計されており、46mmという余裕のあるイメージサークルを備えています。これにより、現代のほとんどのフルフレームセンサーカメラをカバーし、画面の隅々まで優れた解像度と均一な明るさを提供します。例えば、RED V-Raptor X 8K VV Open Gate 17:9(対角46.3mm)のような大型センサーカメラでの撮影時でも、四隅にわずかなソフトヴィネットが発生する程度に抑えられています。
シネマ撮影を考慮した設計
このシネレンズシリーズは、プロの撮影現場での使いやすさも追求しています。フォーカスブリージング(フォーカス移動時に画角が変化する現象)を事実上排除することで、非常にスムーズで自然なフォーカス送りを実現し、視覚的な構図を維持します。また、優れた近接撮影能力も備えており、T1.0の明るさと相まって、被写体の細部を力強い視覚的表現へと昇華させます。
現場での効率性を高めるため、シリーズ全体で114mmのフロント径、110mmのフィルター径、そして標準的な0.8 MODギアが統一されています。これにより、レンズ交換時にアクセサリーの位置を再調整する手間が省けます。メートルとフィートの両方に対応したスケール表示と、付属のレンズサポートは、正確なマニュアルフォーカス操作と安定した設置を保証します。さらに、ネイティブのPLマウントに加え、交換可能なEFマウントが付属しており、ハイエンドのシネマカメラからミラーレスシステムまで、幅広いカメラとの互換性を確保しています。
Zone T1 FFシリーズのラインナップとスペック
中一光学の「Zone T1 FF」シリーズは、以下の3本のレンズで構成されています。
| 項目 | 35mm T1.0 | 50mm T1.0 | 75mm T1.0 |
|---|---|---|---|
| 焦点距離 | 35mm | 50mm | 75mm |
| フォーマット | フルフレーム(FF) | フルフレーム(FF) | フルフレーム(FF) |
| イメージサークル | 46mm | 46mm | 46mm |
| 絞り(T値) | T1.0 – 16 | T1.0 – 16 | T1.0 – 16 |
| アイリス回転角 | 87.85° | 84.3° | 87.5° |
| フォーカス回転角 | 270° | 270° | 270° |
| レンズ構成 | 12群13枚 | 10群11枚 | 9群11枚 |
| 絞り羽根枚数 | 16枚 | 16枚 | 16枚 |
| 画角(対角) | 72° | 43.5° | 33.5° |
| 最短撮影距離 | 0.6m / 2フィート | 0.52m / 1フィート8インチ | 0.7m / 2フィート4インチ |
| 最大倍率 | 0.12倍 | 0.16倍 | 0.05倍 |
| ギアモジュール | 0.8MOD | 0.8MOD | 0.8MOD |
| フィルター径 | 110mm | 110mm | 110mm |
| 外形寸法 | 直径132×137.8mm | 直径132×137.8mm | 直径132×137.8mm |
| 重量 | 3000g(3kg) | 3000g(3kg) | 3000g(3kg) |
| マウント | デフォルトPL、EF交換用付属 | デフォルトPL、EF交換用付属 | デフォルトPL、EF交換用付属 |
【管理人の視点】日本のユーザー目線
中一光学の「Zone T1 FF」シリーズ発表は、日本の映像制作業界、特にシネマカメラを使用するプロフェッショナルにとって注目すべきニュースです。T1.0という極めて明るい開放F値は、低照度環境での撮影や、被写界深度を極端に浅くした印象的な映像表現を可能にし、クリエイターの表現の幅を大きく広げるでしょう。特に、日本の夜景や室内での繊細な表現が求められるシーンでは、その威力を発揮すると考えられます。
現時点では、日本国内における具体的な導入時期や価格設定は未発表であり、国内代理店からの詳細なアナウンスが待たれます。しかし、単体2,499米ドル、3本セット6,999米ドルという価格設定は、ハイエンドなシネレンズ市場において競争力のある選択肢となる可能性があります。既存のシネレンズと比較して、中一光学が提供する「幻想的な描写」や「ヴィンテージ感」が、日本の映像クリエイターの感性にどのように響くか、その評価が注目されます。
また、統一されたレンズサイズや交換可能なPL/EFマウントは、撮影現場でのレンズ交換作業をスムーズにし、多様なカメラシステムへの対応を容易にします。これは、特に限られた時間の中で効率的な撮影が求められる日本の現場において、大きなメリットとなるでしょう。Indiegogoキャンペーンの動向も、日本市場への本格導入に先立つ重要な指標となるかもしれません。
まとめ
中一光学が発表した「Zone T1 FF」シネレンズシリーズは、T1.0の超大口径とフルフレーム/ビスタビジョン対応を特徴とし、プロの映像制作に新たな可能性を提示します。幻想的なボケ味、シネマティックなフレア、そして堅牢かつ使いやすい設計は、クリエイターが求める表現力を最大限に引き出すための強力なツールとなるでしょう。今後の市場投入と、日本の映像業界での評価に大きな期待が寄せられます。
情報元:PRONEWS

