Blackmagic Design URSA Cine 17K 65がHBOコメディ「Rooster」撮影に採用された理由

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HBOで配信中のコメディシリーズ「Rooster」の撮影に、Blackmagic Designの「URSA Cine 17K 65」デジタルフィルムカメラが導入されたことが明らかになりました。撮影監督を務めたブレイク・マクルア氏は、このラージフォーマットカメラを駆使し、登場人物の人間性を際立たせる、温かく親しみやすい独自の映像美を創出しています。本記事では、URSA Cine 17K 65が「Rooster」のビジュアルトーンにどのように貢献したのか、その採用理由と制作現場での具体的な活用法を深掘りします。

Blackmagic URSA Cine 17K 65が選ばれた背景

「Rooster」は、スティーヴ・カレルが主演を務めるドラマで、名門大学を訪れた著名な作家グレッグ・ルッソが、娘のケイティが抱える個人的な危機に直面しながら、キャンパスライフに深く関わっていく物語です。マクルア氏が本作の視覚的な目標として掲げたのは、快適さと優雅さを表現し、登場人物の人間性を強調するイメージの創出でした。当初はスーパー16mmフィルムでの撮影も検討されたものの、最終的にはその対極にあるラージフォーマット、すなわちBlackmagic URSA Cine 17K 65の採用に至ったと報じられています。

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65mmラージフォーマットの映像表現力

マクルア氏は、URSA Cine 17K 65の65mmラージフォーマットがもたらす「実体的な感覚」を高く評価しています。このフォーマットは、視聴者に被写体へより接近した感覚を与え、無意識のうちに映像への没入感を高める効果があるといいます。カメラを被写体に近づけても、通常のレンズよりも長い焦点距離を使用することで、歪みを抑えつつ広い視野を確保できる点が、その独特の表現を可能にしています。これにより、視聴者は登場人物の感情や表情をより繊細に感じ取ることができるとされています。

広大な視野と浅い被写界深度の利点

ラージフォーマットカメラのもう一つの大きな利点は、その広い視野角と浅い被写界深度です。「Rooster」の撮影では、美術監督キャボット・マクマレン氏が手掛けた美しいセットを余すことなく映像に収めることができたとマクルア氏は語ります。また、浅い被写界深度は、窓の外に広がる背景を効果的にぼかすのに役立ち、セットの近くで発生しうるピントの問題を解消しました。これにより、被写体である登場人物に焦点が当たり、物語への集中を促す映像が実現されています。

「Rooster」が追求した映像トーンと撮影技法

「Rooster」は、秋のマサチューセッツ州の小さな町が舞台ですが、実際の撮影は夏のロサンゼルスで行われました。そのため、映像全体に暖かく親しみやすい雰囲気を演出する必要がありました。マクルア氏はこの課題に対し、リッチで豊かなカラーパレットを追求し、美術や植木装飾、ADなど様々な部門と密接に連携しながら、最適な外部光を最大限に活用したと述べています。

温かみのあるルックとカラーグレーディング

本作の映像は「ウールのセーターのような感覚」と表現されており、温かみと心地よさが特徴です。このルックを実現するため、マクルア氏はCamtecがリハウスしたキヤノンのK35およびFDレンズのカスタムブレンドであるFalconレンズと、Color-Con2フィルターを組み合わせて使用しました。Color-Conフィルターを強めに適用することで、非常に色褪せた低コントラストのRAWファイルを作成。その後、カラリストのジョッシュ・ボホースキー氏と共に、DaVinci Resolve StudioでカスタムLUT(ルックアップテーブル)を調整し、シャドウを黒く、ハイライトを100に保ちながらも、リッチで狭いラティチュードの映像を作り上げました。これはまるでエクタクロームフィルムのような独特の質感を生み出したと評されています。

ISO感度とワイヤレスコントロールの柔軟性

Blackmagic URSA Cine 17K 65は、ISO感度を問わず優れた性能を発揮しました。撮影の多くはISO 2000前後で行われ、夜間の屋外シーンではISO 3200を使用することもあったといいます。撮影現場では、3台のURSA Cine 17K 65カメラにワイヤレスコントロールを取り付け、iPadと複数のbitboxを接続することで、ISO、色温度、グリーンの調整などを遠隔で操作できるようにしました。これにより、撮影監督はカメラに直接触れることなく、重要な設定を迅速かつ柔軟に変更することが可能となり、撮影効率の向上に貢献しました。

デュアルサイドモニターの利便性

URSA Cine 17K 65が備える2つの側面モニターも、マクルア氏にとって非常に有用でした。特にAカメラが常にRoninに装着されている状況下では、各カメラまで移動することなく、オペレーターやアシスタントの邪魔をせずに映像を確認できる点が大きなメリットだったと語っています。これにより、撮影監督は現場のどこからでも映像をチェックし、迅速な判断を下すことが可能となり、スムーズな制作進行をサポートしました。

映画制作におけるBlackmagic URSA Cine 17K 65の可能性

マクルア氏は、プロジェクトにおいて物語に適したツールを選択することの重要性を強調し、「Rooster」ではURSA Cine 17K 65がその役割を完璧に果たしたと述べています。このカメラの登場により、高額な費用をかけずにラージフォーマットでの撮影が可能になったことは、多くの映像クリエイターにとって大きな喜びであると語り、そのカメラとカラーサイエンスの組み合わせが完璧に機能していると評価しています。

Blackmagic DesignのURSA Cine 17K 65は、その優れた映像表現力とコストパフォーマンスにより、これまで一部のハイエンド作品に限られていたラージフォーマット撮影の敷居を大きく下げました。これにより、より多くの映画制作者が、物語に深みと没入感を与える映像表現を追求できるようになるでしょう。特に、登場人物の感情や人間性を繊細に描きたいドラマやコメディ作品において、その真価を発揮する可能性を秘めています。

まとめ

HBOのコメディシリーズ「Rooster」の撮影にBlackmagic URSA Cine 17K 65が採用された事例は、このカメラが提供する65mmラージフォーマットの映像表現力と、制作現場での高い実用性を明確に示しました。撮影監督ブレイク・マクルア氏が追求した温かく親しみやすいルックは、広大な視野、浅い被写界深度、そしてカスタムレンズとフィルター、DaVinci Resolve Studioでの緻密なカラーグレーディングによって実現されています。URSA Cine 17K 65は、その優れた性能とコスト効率により、今後の映像制作においてラージフォーマット撮影の新たな可能性を切り開く存在となるでしょう。

情報元:PRONEWS

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