Shokzは、耳を塞がないオープンイヤー型ワイヤレスイヤホンの新モデル「OpenDots 2」と「OpenDots Air」を発表しました。2025年5月に登場した初代OpenDotsのコンセプトを継承しつつ、両モデルは音質、通話性能、装着感の快適性をさらに向上させています。周囲の音を聞きながら音楽を楽しみたいユーザーや、長時間イヤホンを装着するビジネスパーソンにとって、新たな選択肢となるでしょう。
オープンイヤーイヤホンの進化:Shokz OpenDotsシリーズのコンセプト
Shokzは、耳の穴を塞がない「オープンイヤー」という独自のコンセプトで、ワイヤレスイヤホン市場に新たな風を吹き込んできました。従来のインイヤー型イヤホンが耳の内部に挿入されるのに対し、OpenDotsシリーズは耳の裏側にクリップで固定し、ドライバーが耳の穴に向かって音を届ける設計を採用しています。この設計思想は、ユーザーに複数のメリットをもたらします。
従来のインイヤー型との違いとShokzの哲学
インイヤー型イヤホンは、耳の穴に密着することで高い遮音性と没入感を提供しますが、長時間の装着で耳への圧迫感や不快感を感じるユーザーも少なくありません。また、周囲の音が完全に遮断されるため、交通量の多い場所での使用や、オフィスでの会話中に不便を感じる場面もあります。
ShokzのOpenDotsシリーズは、こうした課題を解決するために開発されました。耳を塞がないことで、周囲の環境音を自然に取り込みながら音楽や通話を楽しむことができます。これにより、ランニングやサイクリング中の安全性が向上するだけでなく、オフィスや家庭で家族とのコミュニケーションを妨げることなく音楽を聴くことが可能になります。これは、単に音を聴くツールとしてだけでなく、日常生活に溶け込むガジェットとしてのイヤホンの可能性を広げるShokzの哲学を体現しています。
新世代音響構造「Bassphere」による音質向上
新モデルのOpenDots AirとOpenDots 2には、Shokzが独自に開発した「次世代球状音響構造」である「Bassphere」が搭載されています。これは、各イヤホンに搭載された一対のカスタム11.8mmドライバーと最適化された振動板を組み合わせることで、低音域の強化、音量の増大、そして全体的な音の明瞭度を向上させることを目指した技術です。
オープンイヤー型イヤホンは、その構造上、音漏れや低音の不足が課題となることがありますが、Bassphere技術はこれらの弱点を克服し、より豊かなサウンド体験を提供するために設計されました。専用アプリを通じてカスタムEQ設定が可能であるほか、ポッドキャストやオーディオブックの音声を聞き取りやすくする「ボイスブーストモード」や、静かな環境で音漏れを低減する「プライバシーモード」といったプリセットサウンドプロファイルも用意されており、多様なリスニングシーンに対応します。
「OpenDots Air」:手軽に高音質を体験できるエントリーモデル
「OpenDots Air」は、Shokzのオープンイヤー体験を手軽に試したいユーザー向けのエントリーモデルとして位置づけられています。初代モデルよりも70ドル以上安価な129.95ドルという価格設定ながら、Shokzの最新技術が惜しみなく投入されています。
主な特徴とスペック
OpenDots Airは、ブラックとデイブレイクパープルの2色展開で提供されます。片耳あたり6.3グラムという軽量設計は、長時間の装着でも耳への負担を最小限に抑え、まるで何も着けていないかのような快適さを実現します。前述のBassphere技術により、エントリーモデルでありながらも、クリアでパワフルなサウンドを実現。専用アプリで音質を自分好みに調整できる柔軟性も持ち合わせています。
バッテリー性能とAIノイズリダクション
バッテリー持続時間は、イヤホン単体で最大9時間の音楽再生が可能であり、充電ケースを併用することで合計最大36時間まで延長されます。これにより、一日中の使用はもちろん、数日間の旅行や出張でも充電の心配を軽減できます。
また、OpenDots Airにはアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能は搭載されていませんが、通話時にはAIアルゴリズムを活用して周囲の背景ノイズを効果的に低減する機能が備わっています。これにより、騒がしい環境下でもクリアな音声通話を実現し、ビジネスシーンやオンライン会議などでも安心して利用できます。さらに、ダイナミック耳検出機能を搭載しているため、左右どちらの耳にも装着可能で、イヤホンが自動的に左右を認識してくれるため、装着時に迷うことがありません。
「OpenDots 2」:Dolby Audioと骨伝導マイクでプレミアム体験
「OpenDots 2」は、OpenDots Airの優れた基本性能をベースに、さらに高度な機能とプレミアムな音響体験を追求した上位モデルです。価格は199.95ドルで、パールホワイト、グレー、ブラックの3色が用意されています。
上位モデルならではの機能と音質
OpenDots 2は、OpenDots Airと同じデュアルドライバーシステムを搭載しつつ、新たにDolby Audioをサポートしています。これにより、対応するコンテンツを再生する際に、より没入感のある豊かなサラウンドサウンド体験を提供します。映画鑑賞やゲームプレイにおいて、音の広がりや奥行きをよりリアルに感じられるようになるでしょう。このDolby Audio対応は、オープンイヤー型イヤホンでありながら、音質への妥協を許さないShokzの姿勢を示しています。
通話品質を向上させる骨伝導マイク
通話品質の向上は、OpenDots 2の大きな特徴の一つです。従来のAIノイズリダクションに加え、骨伝導マイクが追加されています。この骨伝導マイクは、ユーザーの顎の骨から伝わる振動を音声として捉えることで、周囲の騒音からユーザーの声を効果的に分離します。これにより、風の強い屋外やカフェのような賑やかな場所でも、相手にクリアな音声を届けることが可能になり、ビジネス通話やプライベートでの会話の質が飛躍的に向上します。
バッテリーと紛失防止機能の強化
OpenDots 2のバッテリー持続時間は、イヤホン単体で最大10時間、充電ケースを併用することで合計最大40時間と、OpenDots Airよりもさらに長くなっています。充電ケースはQiワイヤレス充電に対応しており、ケーブル接続の手間なく手軽に充電できる利便性も兼ね備えています。
また、紛失防止機能も強化されています。両モデルともにShokzモバイルアプリからBluetooth範囲内でイヤホンを探すことができますが、OpenDots 2はGoogleの「Find Hub」アプリにも対応。これにより、Bluetooth範囲外であっても、最後に接続された場所を地図上で確認できるため、万が一の紛失時にも見つけ出す可能性が高まります。
両モデル共通の進化点と利便性
OpenDots AirとOpenDots 2は、それぞれ異なるターゲット層に向けて設計されていますが、共通して多くの先進的な機能と利便性を提供します。
Bluetooth 6.1とマルチポイント接続
両モデルともに最新のBluetooth 6.1規格に対応しており、安定したワイヤレス接続と低遅延を実現します。これにより、音楽再生や動画視聴、通話など、あらゆるシーンで快適なワイヤレス体験が可能です。
さらに、2台のデバイスに同時に接続できるマルチポイント接続機能も搭載しています。例えば、スマートフォンとノートPCに同時に接続しておけば、スマートフォンで音楽を聴いている最中にノートPCでオンライン会議の通知が入っても、手動で接続を切り替えることなくシームレスに対応できます。これは、現代のマルチデバイス環境において非常に便利な機能です。
アプリ連携とカスタムEQ
Shokzのモバイルアプリは、両モデルの機能を最大限に活用するための重要なツールです。アプリからは、前述のカスタムEQ設定やプリセットサウンドプロファイルの選択に加え、イヤホンのファームウェアアップデート、バッテリー残量の確認、そしてイヤホンを探す機能などが利用できます。ユーザーは自分の好みや使用環境に合わせて、イヤホンの音質や機能を細かくパーソナライズすることが可能です。
Shokz OpenDotsシリーズの主要スペック比較
| 機能 | Shokz OpenDots Air | Shokz OpenDots 2 |
|---|---|---|
| 価格 | 129.95ドル | 199.95ドル |
| カラー | ブラック、デイブレイクパープル | パールホワイト、グレー、ブラック |
| 重量(片耳) | 6.3グラム | 6.4グラム |
| ドライバー | カスタム11.8mmドライバー x2 (Bassphere) | カスタム11.8mmドライバー x2 (Bassphere) |
| Dolby Audio | 非対応 | 対応 |
| マイク | AIノイズリダクションマイク | AIノイズリダクションマイク + 骨伝導マイク |
| バッテリー(イヤホン単体) | 最大9時間 | 最大10時間 |
| バッテリー(ケース込み) | 最大36時間 | 最大40時間 |
| 充電ケース | USB-C | USB-C、Qiワイヤレス充電対応 |
| Bluetoothバージョン | 6.1 | 6.1 |
| マルチポイント接続 | 対応 | 対応 |
| 紛失防止 | Shokzアプリ(Bluetooth範囲内) | Shokzアプリ(Bluetooth範囲内)、Google Find Hub対応 |
新型Shokzイヤホンが提供するユーザー体験
Shokzの新しいOpenDotsシリーズは、従来のイヤホンの枠を超えた独自のユーザー体験を提供します。そのメリットとデメリットを客観的に分析し、どのようなユーザーに最適なのかを考察します。
メリット:快適性、安全性、通話品質の向上
最大のメリットは、やはり「耳を塞がない」ことによる快適性と安全性です。耳の穴に異物を挿入する不快感がなく、長時間装着しても疲れにくい設計は、オフィスワークや長時間の移動、運動時において非常に有効です。また、周囲の音を聞き取れるため、自動車や自転車の接近、駅のアナウンス、同僚からの呼びかけなど、重要な情報を見逃すリスクを低減し、安全性を高めます。
通話品質の向上も特筆すべき点です。OpenDots AirのAIノイズリダクション、そしてOpenDots 2の骨伝導マイクは、騒がしい環境下でのクリアな通話を可能にし、ビジネスシーンでの利用価値を高めます。これは、テレワークやオンライン会議が日常となった現代において、非常に重要な機能と言えるでしょう。
デメリット:ANC非搭載、音漏れの可能性
一方で、オープンイヤー型であることのデメリットも存在します。最も顕著なのは、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能が搭載されていない点です。耳を塞がない構造上、外部の騒音を完全に遮断することはできません。そのため、飛行機の中や非常に騒がしい場所で音楽に没頭したい場合には、インイヤー型やオーバーイヤー型のノイズキャンセリングイヤホンの方が適しているでしょう。
また、音漏れの可能性も考慮する必要があります。耳の穴に直接音を届けるタイプではないため、音量を上げすぎると周囲に音が漏れてしまうことがあります。特に静かな図書館や電車内など、公共の場所での使用には注意が必要です。ただし、OpenDots Airにはプライバシーモードが搭載されており、音漏れを軽減する工夫がされています。
競合製品との比較と市場での位置づけ
オープンイヤー型イヤホン市場には、Shokzの骨伝導イヤホンシリーズや、耳掛け型の他社製品も存在します。ShokzのOpenDotsシリーズは、骨伝導ではなく空気伝導方式を採用している点で、同社の骨伝導イヤホンとは異なります。骨伝導イヤホンは骨を振動させて音を伝える一方で、音質面で一般的なイヤホンに劣る傾向がありました。OpenDotsは、耳の前にドライバーを配置することで、骨伝導よりも自然で豊かな音質を実現しつつ、耳を塞がないというメリットを両立させています。
他社の耳掛け型イヤホンと比較しても、Shokzは長年のオープンイヤー型オーディオデバイス開発で培ったノウハウを活かし、装着感の快適さや音質のバランスにおいて優位性を持つ可能性があります。特に、Bassphere技術による低音域の強化や、Dolby Audio対応(OpenDots 2)は、オープンイヤー型イヤホンの音質に対する従来のイメージを覆す可能性を秘めています。
こんな人におすすめ
- 周囲の音を聞きながら安全に音楽を楽しみたいランナーやサイクリスト
- 長時間のオンライン会議や通話が多いビジネスパーソン
- 耳への圧迫感や不快感なく、一日中快適にイヤホンを装着したい人
- 子育て中や在宅ワークで、家族とのコミュニケーションを妨げずに音楽を聴きたい人
- Dolby Audio対応コンテンツで、より没入感のあるサウンド体験を求める人(OpenDots 2)
よくある質問
OpenDotsシリーズはどのようなシーンで活躍しますか?
OpenDotsシリーズは、ジョギングやサイクリングなどの屋外運動時、オフィスでの作業中、自宅での家事や育児中など、周囲の状況を把握しながら音楽や通話を楽しみたいあらゆるシーンで活躍します。耳を塞がないため、安全性を確保しつつ、快適なオーディオ体験を提供します。
音漏れはどの程度ありますか?
オープンイヤー型イヤホンの特性上、音量を上げすぎると音漏れが発生する可能性があります。しかし、OpenDots Airには音漏れを軽減する「プライバシーモード」が搭載されており、静かな環境での使用時に役立ちます。公共の場所で使用する際は、音量に注意することが推奨されます。
防水性能はありますか?
元記事には具体的な防水性能(IP等級など)の記載はありませんが、Shokzの製品はスポーツ用途に特化したものが多く、通常は防汗・防滴性能を備えています。OpenDotsシリーズも、日常的な汗や小雨程度であれば問題なく使用できる可能性が高いですが、詳細な仕様は公式発表をご確認ください。
既存のShokz製品との違いは何ですか?
Shokzの既存製品の多くは「骨伝導技術」を採用していますが、OpenDotsシリーズは「空気伝導方式」のオープンイヤー型イヤホンです。骨伝導は骨を振動させて音を伝えるのに対し、空気伝導は耳の穴の近くで音波を発生させます。これにより、OpenDotsシリーズは骨伝導イヤホンよりも自然で豊かな音質を実現しつつ、耳を塞がないというオープンイヤーのメリットを両立しています。
まとめ
Shokzが発表した「OpenDots 2」と「OpenDots Air」は、オープンイヤー型イヤホンの新たな基準を提示するモデルと言えるでしょう。快適な装着感と周囲の音を取り込む安全性を維持しつつ、新開発のBassphere技術による音質向上、そしてOpenDots 2においてはDolby Audio対応や骨伝導マイクの搭載により、さらにプレミアムなオーディオ・通話体験を実現しています。
エントリーモデルのOpenDots Airは、手軽にオープンイヤーの利便性を体験したいユーザーに、上位モデルのOpenDots 2は、最高の音質と通話品質、そしてQiワイヤレス充電やGoogle Find Hub対応といった先進機能を求めるユーザーに最適な選択肢となるでしょう。耳を塞がないイヤホンが、私たちの日常生活やビジネスシーンをより豊かに、そして安全にする可能性を秘めていることを、Shokzは改めて示しました。
情報元:theverge.com

