EBA GAMEが手掛ける日本平成怪異ホラー『怪異番号~20XX(ニーマルバツバツ)~』が、3月31日にSteamでリリースされます。本作は、平成中期の日本を舞台に、都市伝説を起点とした複数の怪異譚が交錯するテキストアドベンチャーです。ジャンプスケア(突然の驚かし要素)に頼らず、日常が静かに侵食されていく心理的な恐怖を描く点が最大の特徴であり、Steamのウィッシュリスト登録数が2,600件を突破するなど、インディーホラーノベルとして高い注目を集めています。
本作は、単なる恐怖体験に留まらず、プレイヤー自身の記憶や過去と重ね合わせることで、よりパーソナルな不安感を呼び起こすことを目指しています。平成という時代背景が持つ独特のノスタルジーと、身近な場所に潜む違和感が織りなす怪異の世界に、多くのホラーファンが期待を寄せています。
「恋愛番号」が誘う平成レトロな恐怖体験:『怪異番号~20XX~』の核心

ゲーム概要と独特の世界観
『怪異番号~20XX~』は、ホラーノベルジャンルとして3月31日にSteamで発売されます。価格は400円ですが、発売セール期間中は20%オフの320円で購入可能です。プレイ時間は約2時間とコンパクトに設計されており、手軽に濃密なホラー体験を楽しめるのが魅力です。
物語は、好きな相手との相性を占ってくれると噂される都市伝説の電話番号、通称「恋愛番号」から始まります。この番号は、町のどこかの公衆トイレに落書きとして存在するとされており、学校で広まる噂をきっかけに、主人公は夜の町へと番号を探しに向かいます。しかし、電話をかけた先に待っていたのは、単なる恋占いでは終わらない、奇妙で不穏な怪異の存在でした。
本作の舞台は、平成中期の日本をモチーフとしています。当時の公衆電話文化や、子供たちの間で囁かれた都市伝説、そしてどこか懐かしい町の風景が、プレイヤーをノスタルジックな世界へと誘います。この時代設定が、現代の洗練されたデジタル社会とは異なる、アナログで不確かな恐怖感を際立たせています。公衆電話の落書きという、かつては日常の一部だった要素が、怪異への入り口となることで、プレイヤーは「こんなことあったかも」というリアリティを伴った恐怖を体験することになります。
ジャンプスケアに頼らない心理的ホラーの真髄

多くのホラーゲームが大きな音やグロテスクな表現による突然の驚かし(ジャンプスケア)を多用する中で、『怪異番号~20XX~』はあえてその手法を排除しています。代わりに追求するのは、日常が静かに、しかし確実に異質なものへと侵食されていく心理的な恐怖です。開発元EBA GAMEは、作者の地元をモデルとした町を舞台に、どこにでも存在していたはずの日常が少しずつ変容していく過程を丁寧に描いています。
この「じわじわとした恐怖」は、プレイヤーの想像力を刺激し、内面から湧き上がる不安感を増幅させます。身近な場所に潜む違和感や、記憶の片隅に残るような漠然とした不安感を積み重ねることで、プレイヤーは常に緊張感を強いられ、何が起こるか分からないという不確実性そのものに恐怖を感じるでしょう。これは、日本の伝統的な怪談や都市伝説が持つ「正体の分からないものへの興味と恐怖」というテーマと深く結びついており、単なる視覚的なショックを超えた、より深いレベルでの恐怖体験を提供します。
コンパクトながらも濃密な怪異譚:『怪異番号~20XX~』のゲームデザイン

4つの独立したエピソードとプレイ時間
本作は、4つの独立したエピソードで構成されるテキストアドベンチャーです。プレイヤーは各エピソードを読み進めながら、町に潜む怪異の謎へと迫っていきます。各エピソードが独立しているため、物語の途中で中断しても流れを失いにくく、自分のペースでじっくりと恐怖を味わうことができます。また、約2時間というコンパクトなプレイ時間は、忙しい現代人でも気軽に手に取れる設計でありながら、その短さに反して非常に濃密な体験を提供します。
短い時間で完結するからこそ、物語の密度が高く、無駄のない展開が期待できます。これは、プレイヤーが集中力を維持しやすく、一気に物語の世界に没入できるというメリットにも繋がります。平成期の都市伝説や公衆電話文化といったモチーフが、このコンパクトな構成の中でどのように活かされ、プレイヤーに「こんなことあったかも」と思わせる怪異体験をもたらすのか、その手腕に注目が集まります。
開発者が込めた「正体の分からないものへの興味と恐怖」

開発元EBA GAMEは、本作『怪異番号~20XX~』の制作にあたり、かつて街中で見かけた電話番号の落書きや、子どもの頃に感じた「正体の分からないものへの興味と恐怖」をテーマにしたとコメントしています。この個人的な体験が、ゲームの根底にあるリアリティとノスタルジーを生み出していると言えるでしょう。
平成中期の日本を思わせる風景や空気感を舞台に、どこにでも存在していた日常が少しずつ異質なものへと変化していく過程を、テキストノベルという形式で丁寧に描いています。大きな音や刺激的な演出による驚かしではなく、身近な場所に潜む違和感や記憶に残る不安感を積み重ねることで、じんわりとした恐怖体験を目指しているとのこと。これは、プレイヤーそれぞれが自身の記憶や過去と重ね合わせながら、より深く物語に没入し、パーソナルな恐怖を味わえるようにという開発者の願いが込められています。
このようなアプローチは、単なるエンターテイメントとしてのホラーを超え、プレイヤーの内面に語りかけるような芸術性をも帯びています。日常の些細な変化が、やがて取り返しのつかない怪異へと繋がっていく過程は、私たちの現実世界にも潜む不確実性や不安を想起させ、より深いレベルでの共感と恐怖を生み出すでしょう。
『怪異番号~20XX~』は誰におすすめ?平成レトロホラーの新たな潮流
こんな人におすすめ
- ジャンプスケアが苦手だが、ホラーゲームの雰囲気を楽しみたい人。
- テキストアドベンチャーやノベルゲームで物語に没頭したい人。
- 平成時代の都市伝説や、どこか懐かしいレトロな雰囲気に魅力を感じる人。
- 短時間で完結する、手軽ながらも質の高いホラー体験を求めている人。
- インディーゲームの独創的な世界観に触れたい人。
- 日常に潜む不気味さや、じわじわとくる心理的恐怖を好む人。
インディーゲーム市場における本作の意義
『怪異番号~20XX~』は、インディーゲームならではの独創性とニッチなテーマを追求した作品として、ホラーゲーム市場に新たな風を吹き込む可能性を秘めています。大手メーカーでは採算性や大衆性を考慮し、ジャンプスケアのような分かりやすい恐怖演出に傾倒しがちですが、インディー開発者はよりパーソナルな体験や、特定の層に深く響く表現に挑戦できます。
本作が「ジャンプスケアなしの心理的ホラー」という独自の切り口を打ち出し、Steamウィッシュリストで2,600件以上の登録数を獲得している事実は、この種のホラー体験に対する潜在的な需要の高さを示唆しています。平成レトロブームが続く現代において、当時の文化や都市伝説をモチーフにした作品は、単なる懐かしさだけでなく、その時代を知らない若い世代にも新鮮な魅力として映るでしょう。このような作品が成功することで、インディーゲーム市場全体の多様性がさらに広がり、より多くのクリエイターが独自のビジョンを追求するきっかけとなることが期待されます。
まとめ:日常に潜む恐怖を再発見する『怪異番号~20XX~』
『怪異番号~20XX~』は、平成の都市伝説と心理的恐怖を巧みに融合させた、ユニークなホラーテキストアドベンチャーです。ジャンプスケアに頼らず、日常の違和感から生まれる不安感を追求するそのアプローチは、多くのホラーファンに新たな体験をもたらすでしょう。約2時間というコンパクトなプレイ時間ながら、ノスタルジーと恐怖が交錯する独特の世界観は、プレイヤーの記憶に深く刻まれるはずです。
本作は、単なるゲームとしてだけでなく、平成という時代が持つ空気感や、人々の心に潜む「正体の分からないものへの興味と恐怖」を再発見させてくれる作品と言えます。インディーゲームならではの挑戦的な精神が詰まった『怪異番号~20XX~』が、今後のホラーゲームの進化にどのような影響を与えるのか、その動向に注目していきたいところです。
情報元:Gamer

