写真家が消えゆくローカルニュースルームの現実:地域ジャーナリズムの愛と哀愁

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消えゆく写真家たち:ローカルニュースルームの現状

インターネットの普及により、ニュースの形は大きく変化しました。中でも、かつては地域に根ざした情報源だったローカルニュースルームは、今、存続の危機に瀕しています。写真家のアン・ハーミーズさんが始めたプロジェクト「Local Newsrooms」は、そんな消えゆく業界の姿を捉え、地域ジャーナリズムへの愛情を映し出しています。

https://www.annhermesphoto.com/newsrooms

ニュースルームから消える「写真部門」

ハーミーズさんが訪れた50のローカルニュースルームのうち、写真部門が残っていたのはわずか5つほど。多くの場合、新聞社に残っているのは記者だけで、写真家はほとんどいないのが現状だそうです。

「記者たちがカメラを持ってきて、『これの使い方を教えて』と言うんです」とハーミーズさんは語ります。彼女自身もかつてローカルニュースで活躍したプレスフォトグラファーであり、写真家たちが最初に「不要」とされがちであることを肌で感じてきたと言います。

「私たちは多くのニュースルームで最初に姿を消します。重要ではない、必要とされていないと思われがちです」

「でも、スタッフが2~3人しかいないような状況では、彼らを責めることもできません。」

写真家がいないということは、その地域で起きている出来事を視覚的に伝える手段が失われることを意味します。ハーミーズさんは、写真部門が全くない小さなニュースルームを訪れるたびに、胸が痛むそうです。

「ニュース砂漠」と地域ジャーナリズムの灯

ハーミーズさんは、特に地方のニュースルームを多く訪れています。それは、家族経営の新聞社の方が取材を受け入れてくれやすいという理由もありますが、大都市よりも「ローカルレベルで面白いことが起きている」と感じているからだそうです。

彼女は、いわゆる「ニュース砂漠」(十分な報道が行われていない地域)の近くや、ニュース砂漠になりかけている地域にある地方紙を意図的に探しています。コロンビア・ジャーナリズム・レビューなどの調査でニュース砂漠の地域は特定されていますが、ハーミーズさんは、それらの問題に対する「視覚的な記録」を、写真を通じて残したいと考えています。

「私が個人的に、賞賛に値し、愛おしく、大切に思っている空間や人々を記録したかったんです」とハーミーズさんは語ります。「自分が愛するものを撮ることに時間を捧げたかった。この写真集が『ラブレター』のように感じてもらえたら嬉しいです」

ニュースルームの「アーカイブ」、モルグ

ハーミーズさんは、新聞社が過去の全ての版を保管している「新聞モルグ」に強い関心を持っています。そこには、その町全体の歴史が記録されていることが多く、デジタル化されていないものも少なくありません。

「多くの場合、その町全体の歴史の唯一の記録がそこにあるんです」とハーミーズさんは言います。「だから、その空間をたくさん撮影したかった。とても興味深いと感じたからです」

現場の「リアル」を捉える

ハーミーズさんは、写真撮影にあたり、通常のフォトジャーナリズムの取材と同じように、スタジオ照明を持ち込むそうです。それは、多くのニュースルームの蛍光灯が「作業するにはひどすぎる」ため、よりシネマティックにテーマを際立たせたいと考えたからです。

「カーペットのシミ一つ、隅々まで見せたいと思ったんです。観客に、これらの場所がいかに『日常』であるかを見てほしかった」

スタジオ照明は、被写体を固くさせてしまうこともありますが、ハーミーズさんにとって、ニュース関係者は「完璧な被写体」でした。「何をしているのか説明する必要がない。彼らはすでに理解している」とのこと。そのため、ジャーナリストたちがカメラの前で自然体でいられることが、作品の「本物らしさ」と「率直さ」につながっているのです。

変化する業界で、写真が伝えるもの

「Local Newsrooms」プロジェクトは、単に失われつつある職種を記録するだけでなく、地域ジャーナリズムが持つ普遍的な価値と、そこで働く人々の情熱を伝えています。デジタル化が進む現代において、写真が果たす役割の重要性を改めて感じさせてくれるプロジェクトと言えるでしょう。

https://www.annhermesphoto.com/newsrooms

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