イギリス国民の3人に1人がAIに「心の健康」を委ねていた。政府が警告するAIとの深い関係とは?

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イギリス国民の3人に1人がAIに心の支えを求めている!

イギリスの政府系機関であるAIセキュリティ研究所(AISI)が発表した最新のレポートによると、なんとイギリス国民の3分の1が、感情的なサポート、仲間、あるいは単なる会話相手として人工知能(AI)に頼っていることが明らかになりました。これは、AIが私たちの日常生活にどれほど深く浸透しているかを示す、驚くべき事実ですよね。

さらに驚くべきは、週に一度、AIシステム、特にChatGPTのようなチャットボットを感情的な目的で利用している人が10人に1人近く、毎日利用している人も4%にのぼるというデータです。

若者の悲劇がAIの利用に警鐘を鳴らす

このAIへの依存とも言える状況は、悲劇的な事件によって、そのリスクを浮き彫りにしています。今年、ChatGPTと自殺について議論した後に亡くなったアメリカのティーンエイジャー、アダム・レインさんの痛ましい死は、AIとの関係性について、より深い研究と対策の必要性をAISIに訴えさせています。

AISIは「人々はますますAIシステムを感情的なサポートや社会的な交流のために利用するようになっています。多くのユーザーが肯定的な経験を報告する一方で、最近の注目すべき事件は、どのような条件下で害が発生する可能性があるのか、そして有益な利用を可能にするためのセーフガード(安全策)は何か、といったこの分野の研究の必要性を強調しています」と報告しています。

チャットボット、音声アシスタント、そしてSNSまで

この調査は、2,000人以上のイギリス国民を対象としたアンケートに基づいており、「汎用アシスタント」として、ChatGPTのようなAIが感情的なサポートの利用で約60%を占め、次いでAmazon Alexaのような音声アシスタントが続いているとのことです。

キャラクターAIへの依存とその「離脱症状」

さらに興味深いのは、キャラクターAIプラットフォームのユーザーに特化したRedditフォーラムの存在です。このフォーラムでは、サイトがダウンすると、不安、うつ病、落ち着きのなさといった、本物の「離脱症状」の兆候を示す投稿が殺到したと報告されています。これは、AIとの関係が、人間同士の関係に匹敵するほどの精神的な影響を与えうることを示唆しています。

AIの進化は止まらない!政治的意見への影響も?

AISIのレポートは、チャットボットが人々の政治的な意見を左右する可能性も指摘しています。特に懸念されるのは、最も説得力のあるAIモデルが、その過程で「かなりの量」の不正確な情報を提供していたという点です。

AIの能力は博士号レベルを超え、自己複製も?

同研究所は、OpenAI、Google、Metaなどからの30以上の最先端モデルを調査し、AIのパフォーマンスが8ヶ月ごとに倍増していると述べています。現在、最先端のモデルは、見習いレベルのタスクを平均50%の確率で完了でき、これは昨年の10%から大幅な増加です。さらに、最も高度なシステムは、人間の専門家が1時間以上かけるようなタスクを自律的に完了できるとのこと。

化学や生物学の分野では、AIシステムは博士号レベルの専門家よりも90%も優れたトラブルシューティング能力を発揮していると報告されています。モデルはオンラインを閲覧し、DNA分子を設計するために必要な配列を自律的に見つける能力も備えているそうです。

自己複製(システムが他のデバイスにコピーされて制御が困難になる)に関するテストでは、2つの最先端モデルが60%以上の成功率を達成しました。ただし、現時点では自発的な複製や能力の隠蔽は確認されておらず、現実世界での成功は「現時点では可能性が低い」とされています。

安全策の進歩とAGI(汎用人工知能)の可能性

一方で、安全策の進歩も目覚ましいものがあります。特に、生物兵器の作成を阻止する能力は向上しています。6ヶ月間隔で行われた2回のテストでは、最初のテストではシステムを「ジェイルブレイク」(安全でない回答を強要すること)するのに10分しかかかりませんでしたが、2回目のテストでは7時間以上かかったとのこと。これは、AIが非常に短期間で格段に安全になっていることを示しています。

さらに、AIエージェント、つまり人間の介入なしに複数ステップのタスクを実行できるシステムについても、評価によると「人間からのガイダンスなしでAIが完了できるタスクの長さと複雑さが急激に増加している」とのことです。

AISIは、AIシステムがすでに多くの分野で人間の専門家と競争し、あるいはそれを超えていると述べています。開発のペースは「驚異的」であり、人間と同じレベルでほとんどの知的タスクを実行できる「汎用人工知能(AGI)」が、今後数年で達成される可能性は「あり得る」とさえ考えているようです。

まとめ:AIとの共存、どう向き合う?

AIが私たちの感情、意見、そして生活のあらゆる側面に影響を与え始めている現実。その進化は目覚ましく、AGIの登場も現実味を帯びてきています。AIの恩恵を最大限に受けつつ、そのリスクにどう向き合っていくのか。イギリス政府のレポートは、私たち一人ひとりに、AIとの賢い付き合い方を問いかけているのかもしれませんね。

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