OpenAI、買収時代への突入が囁かれる
OpenAIは近年、人材獲得に力を入れており、その勢いは企業買収にも波及する可能性が指摘されています。
Googleの企業開発部門トップ、アルバート・リー氏の採用
最近の注目すべき動きとして、OpenAIはGoogle CloudおよびDeepMindの企業開発担当シニアディレクターであったアルバート・リー氏を採用しました。リー氏はGoogleで14年以上にわたり、500億ドルを超える買収案件を含む多数のM&A(合併・買収)を主導した実績を持つ人物です。OpenAIは、リー氏が企業開発部門のシニアリーダーとして、迅速な意思決定と広範な視点を持って同社の成長を牽引することを期待しています。
ビジネスサイドの幹部候補の相次ぐ採用
リー氏の採用は、今月発表されたビジネスサイドの主要な人材獲得の動きに続くものです。先週には、SlackのCEOであったデニース・ドレッサー氏が、新たに最高収益責任者(CRO)としてOpenAIに加わることが発表されました。さらにその前週には、Amazonのグローバルリテールオペレーション部門のCEO付チーフ・オブ・スタッフであったトーベン・セバーソン氏が、OpenAIのバイスプレジデント兼グローバル・ビジネス・ディベロップメント責任者として入社したことを自身のLinkedInで報告しています。
買収戦略への期待
競合であるGoogleからトップクラスの企業開発責任者を獲得したことは、OpenAIが2026年に積極的な買収戦略を展開する可能性を示唆しているのかもしれません。AI分野におけるOpenAIのディールメイキングは、今年に入ってから特に活発化しており、以下のような主要な買収事例が報告されています。
- Neptune(12月上旬): AIモデルのトレーニング支援を行うスタートアップ。
- Software Applications Incorporated(10月): ソフトウェアアプリケーション開発企業。
- Roi(10月): パーソナル投資スタートアップ。
- Statsig(9月): ソフトウェア実験企業。11億ドル規模の契約。
- io(5月): 元Appleのチーフ・デザイナー、ジョニー・アイブ氏が設立したAIデバイス関連企業。64億ドル規模の契約。
これらの買収に加え、Nvidiaからの1,000億ドル規模の投資(まだ最終確定ではない)など、戦略的パートナーシップも数多く結ばれています。OpenAIの活発なM&A活動は、AI業界における「循環的なディールメイキング」や「AIバブル崩壊」への懸念も引き起こしています。
IPOへの展望
さらに、OpenAIは来年後半(2026年後半)にはIPO(新規株式公開)も計画していると報じられています。同社は10月末に資本再編プロセスを完了し、正式に営利法人となりました。IPOが実現すれば、その評価額は1兆ドル規模になる可能性も示唆されており、今後の動向が注目されます。
まとめ
OpenAIの企業開発部門トップの採用や、ビジネスサイドの幹部人材の相次ぐ獲得は、同社がM&Aを重要な成長戦略と位置づけていることを強く示唆しています。AI業界の急速な進化の中で、OpenAIが今後どのような企業買収や戦略的提携を進めていくのか、その動向から目が離せません。

