Apple Vision Proの独走に待ったをかける存在として長らく噂されてきた、サムスンの新型XR(複合現実)ヘッドセットが、いよいよそのベールを脱ぎます。
サムスンは「Galaxy Event」と題した発表イベントを明日(日本時間10月22日)開催し、コードネーム「Project Moohan」として知られる待望の複合現実ヘッドセットを発表する予定です。サムスンはこの新デバイスを「AIネイティブデバイス」と位置づけており、新たな時代の幕開けを予告しています。
Apple Vision Proと酷似?「Project Moohan」のデザイン
この「Project Moohan」は、今年1月にその姿が一部公開されており、Apple Vision Proに非常によく似たデザインが特徴です。
リークされた情報によれば、スキーゴーグルのようなディスプレイ部、顔にフィットする柔らかいファブリック製のシール、後部のノブでフィット感を調整する一本のパッド入りストラップなど、多くの共通点が見られます。
また、Apple Vision Proと同様に、バッテリーは外部バッテリーパック方式を採用し、ポケットなどに入れて持ち運ぶ形態になるようです。
現時点で重量、ディスプレイ解像度、そして最も重要な価格についての詳細な情報は不明ですが、サムスンは「軽量」かつ「最大限の快適さ」のために「人間工学的に最適化」されていると説明しています。
Google、Qualcommと共同開発した新OS「Android XR」
この新型ヘッドセットの心臓部となるのが、GoogleおよびQualcommと共同開発した新しいオペレーティングシステム「Android XR」です。
これは、Appleの「visionOS」に相当するGoogleのXR・スマートグラス向けプラットフォームであり、ユーザーは仮想環境に完全に没入することも、内蔵カメラを通して現実世界を認識し続けること(パススルー機能)も可能です。これはVision Proのデジタルクラウンによる没入度調整機能と類似しています。
Vision Proとの差別化は「Gemini」搭載のAI機能
「Project Moohan」がApple Vision Proと明確に差別化を図るポイントは、AI機能にあります。
このヘッドセットは「Gemini」AIをサポートし、デバイスの操作だけでなく、装着者が見ているものについてのインサイト(洞察)を提供するなど、より高度なAI連携が期待されています。
また、Googleとの強力な連携により、以下のアプリケーションが最適化されます。
- YouTube: バーチャルな大画面での視聴
- Google マップ: 没入型のビュー体験
- Chrome: マルチタスクのための複数の仮想スクリーン
- Google フォト: 3D画像のサポート
発表イベントは日本時間10月22日午前11時
サムスンが開催するこの注目の発表イベントは、現地時間(太平洋時間)で10月21日の午後7時、日本時間では10月22日(水)の午前11時にキックオフとなります。
Apple Vision Proの強力なライバルとなり得るか、その全貌と価格、そして発売日に注目が集まります。