高速カメラ市場のゲームチェンジャー?Pixboom Spark
2025年9月12日、新興メーカーPixboomは、プロ向け高速カメラ市場に衝撃を与える新製品「Spark」を発表しました。
スーパー35センサーに4.6K解像度のグローバルシャッターを搭載し、最大2,182fpsという驚異的なハイスピード撮影を実現。
さらに、圧縮RAWを「時間無制限」で内部記録できるこのカメラが、本日よりKickstarterにて7,999ドルという戦略的な価格で公開されました。
Pixboom Sparkの主な特徴
まず、このカメラの革新的なポイントを5つにまとめました。
- 4.6K スーパー35 グローバルシャッターセンサー: 高速な被写体を歪みなく捉える真のグローバルシャッターを搭載。
- 最大2,182fpsの驚異的なハイスピード撮影: 4.6Kで670fps、2Kでは2,000fpsを超えるスローモーション撮影が可能。
- 時間無制限の圧縮RAW内部記録: 内蔵RAMの制限を受けず、カード容量の許す限り連続してRAWデータを記録できます。
- 高速オフロード対応の独自メディア: 専用リーダー不要。USB-C経由で最大20Gbpsの高速データ転送を実現。
- $7,999からの戦略的価格: ハイエンドな仕様を備えながら、競合製品を大きく下回る価格設定。
中核をなすイメージング技術:センサーとフレームレート
歪みのない映像を実現するグローバルシャッター
Sparkの心臓部には、14.2メガピクセルのスーパー35 CMOSセンサー(25.34×16.90mm)が搭載されています。
最大の特徴は、高速で動く被写体(プロペラ、スポーツ、爆発など)を撮影した際に発生する映像の歪み(ジェロ効果)を根本的に排除するグローバルシャッターです。
ダイナミックレンジは13ストップ以上を確保し、デュアルネイティブISOにより低照度性能も追求されています。
解像度別フレームレート詳細
驚異的なフレームレートは、制作の目的に応じて選択できます。
| 解像度 | アスペクト比 | 最大フレームレート |
| 4.6K オープンゲート (4608×3072) | 3:2 | 670 fps |
| DCI 4K (4096×2160) | 16:9 | 887 fps |
| 4K (4096×1728) | 2.37:1 | 1,171 fps |
| 2K (2048×1080) | 16:9 | 1,724 fps |
| 2K (2048×864) | 2.37:1 | 2,182 fps |
撮り逃しを防ぐ「プリレコードバッファ」機能
タイミングを予測するのが難しいアクションや野生動物の撮影に絶大な効果を発揮するのがプリレコードバッファです。
録画ボタンを押す前の約2〜3秒間を常に記録しており、決定的な瞬間を撮り逃すことがありません。
撮影から編集までを効率化する記録ワークフロー
独自メディア「Pixboom Pro Card」による高速・無制限記録
Sparkは、最大10GB/sという超高速書き込みが可能な着脱式メディア「Pixboom Pro Card」に圧縮RAWデータを記録します。
多くの高速カメラが数秒間の内蔵RAM記録に限られるのに対し、Sparkはカード容量が尽きるまで「無制限」に撮影を継続可能です。
これにより、長時間のスローモーション撮影という新たな表現が現実のものとなります。
リーダー不要の高速データ転送
撮影後のデータ管理も非常にスマートです。Pixboom Pro Cardは、USB-C(USB 3.2 Gen2x2)ポートを内蔵しており、専用リーダーなしで直接PCに接続可能。
最大20Gbpsという驚異的な速度でデータを転送し、現場でのバックアップ時間を大幅に短縮します。
プロの現場に応える設計:ボディ、I/O、操作性
- 筐体と電源: 堅牢なアルミニウム合金製ボディは、重量わずか1.1kg未満と軽量コンパクト。
電源は内蔵のVマウントバッテリープレート、または外部DC入力(15-24V)に対応します。 - 接続端子とモニタリング: 12G-SDIとHDMI 2.0の映像出力、ゲンロックやタイムコードに対応する9ピンEXTポートなど、プロの現場で必須のI/Oを完備。
本体上部の3.5インチ高精細タッチスクリーンで、設定やモニタリングが直感的に行えます。 - レンズマウントと制御: レンズマウントは交換式を採用。電子接点を備え、レンズメタデータを記録可能です。
また、Wi-Fi経由で専用アプリ「Pixboom Control App」からのリモート操作にも対応します。
Pixboom Spark 詳細スペック一覧
| 項目 | スペック |
| センサー | 14.2MP スーパー35 BSI CMOS (25.34×16.90mm) |
| シャッター | 真のグローバルシャッター |
| 最大解像度 | 4.6K オープンゲート (4608×3072) |
| ダイナミックレンジ | 13+ ストップ |
| 記録方式 | 圧縮RAW (Pixboom Pro Card) |
| ビデオ出力 | 12G-SDI, HDMI 2.0 |
| 接続性 | USB-C, Wi-Fi, 9-pin EXT (Genlock, LTC, GPIO) |
| 電源 | 内蔵Vマウントプレート, 15-24V DC入力 |
| 重量 | 1.1kg未満 (本体のみ) |
価格と入手方法 – Kickstarterキャンペーン詳細
Pixboom Sparkは、本日9月12日よりKickstarterでキャンペーンを開始しました。
- 超早期支援価格: $7,999 (Pixboom Pro Card 付属)
- Kickstarter期間中価格: $8,499
- 小売予定価格: $12,999
初回出荷は2026年の第1四半期を予定しており、早期に支援することで大幅な割引が適用されます。
高速撮影は新たな時代へ
Pixboom Sparkは、これまで一部のハイエンドなプロダクションの特権だった超高性能なスローモーション撮影を、より多くのプロ制作者に解放する可能性を秘めたカメラです。
特に、4.6Kグローバルシャッターと無制限のRAW記録をこの価格帯で実現したことは、市場に大きなインパクトを与えるでしょう。
今までシネマ業界におけるハイスピードカメラといえば、Vision Reseach社のPhantom Flex4KやFreefly Emberなどが有名でしたが、このSparkにより選択肢が広がりそうですね。

