先日発表された、アップルの新型スマートフォン「iPhone 17」シリーズ。
中でも、その驚異的な薄さで注目を集める「iPhone Air」の耐久性について、多くのユーザーが関心を寄せています。
そんな中、アップルの幹部が自らその強度を証明し、大きな話題となっています。
【実証】ジャーナリストが全力で曲げても壊れないiPhone Air
iPhone 17の発表後、Appleのマーケティング担当上級副社長グレッグ・ジョズウィアック氏と、ハードウェアエンジニアリング担当上級副社長ジョン・ターナス氏が、海外メディアのインタビューに応じました。
その場でジョズウィアック氏は、わずか5.64mmの薄さであるiPhone Airをジャーナリストに手渡し、「曲げてみてください」と促したのです。
インタビューに参加した米メディアTom’s Guideのマーク・スプーナウアー氏は、「全力で試したが、少ししなっただけで壊れなかった」と報告。
また、同席したTechRadarのランス・ウラノフ氏も同様に曲げることはできなかったと述べています。
ジョズウィアック氏によれば、この「わずかにしなって元に戻る」動きは、意図された設計通りの挙動だということです。
薄さと強度の両立を可能にした3つの要因
では、なぜiPhone Airはこれほどの薄さと頑丈さを両立できたのでしょうか。
ターナス氏は、その理由を3つの技術的進歩が重なった結果だと説明しています。
- 素材の進化(グレード5チタンフレーム) iPhone Airには、非常に高い強度と軽さを誇る「グレード5チタン」がフレームに採用されています。
iPhone 17 Proがアルミニウムに移行したため、現行ラインナップで唯一のチタン製iPhoneとなります。この素材が、薄型化の基礎を支えています。 - 独自の内部構造(高原 – Plateau) Appleが社内で「高原(Plateau)」と呼ぶカメラバンプ(カメラ部分の出っ張り)の内部に、ほとんどの部品を集中させて配置。
これにより、本体の他の部分を極限まで薄くしながらも、構造的な強度を確保することに成功しました。 - Appleシリコンの電力効率 iPhoneの心臓部であるAppleシリコンの驚異的な電力効率により、バッテリーを小型化しても十分な駆動時間を確保できます。
これにより生まれた内部スペースの余裕が、薄型で頑丈な設計を可能にしました。
なぜ「曲げ」が注目されるのか?iPhone 6の“ベンドゲート”問題
iPhoneの「曲がりやすさ」が注目されるようになったのは、2014年に発売されたiPhone 6/6 Plusがきっかけでした。
当時、ポケットに入れているだけで本体が曲がってしまうという報告が相次ぎ、「ベンドゲート問題」として世界的な話題となりました。
以来、AppleはiPhoneの構造設計と素材選定を大幅に改善しており、今回のiPhone Airは、その長年の研究開発の集大成と言えるでしょう。
一方、iPhone 17 Proがチタンから「アルミニウム」に切り替えた理由
iPhone Airがチタンを採用した一方で、上位モデルのiPhone 17 Proは、従来のチタンからアルミニウム合金へと素材を変更しました。
ターナス氏によれば、これには「2つの紛れもない利点」があったと言います。
- 優れた熱伝導性 Proモデルは高いパフォーマンスを発揮する分、発熱も大きくなります。
今回採用されたカスタムアルミニウム合金は、チタンに比べて20倍も熱伝導性が高く、効率的に熱を分散させることができます。 - 軽量化によるバッテリー容量の確保 アルミニウムはチタンよりも軽量なため、その分、より大きく重いバッテリーを搭載する余裕が生まれます。
これにより、Proモデルのさらなる長時間駆動が実現しました。
さらに、ジョズウィアック氏は「おまけに、美しいアルマイト加工が可能になった」と付け加え、新色「コズミックオレンジ」をアピール。
「Proユーザーから『なぜ楽しい色がないんだ?』と長年言われてきた。楽しい色が欲しい?ならコズミックオレンジはどうだい?」と語りました。
iPhone 17シリーズの予約開始日と発売日
Appleの新型iPhone 17シリーズは、以下の日程で発売されます。
- 予約開始日: 2025年9月12日
- 発売日: 2025年9月19日
薄さと耐久性を両立したiPhone Air、性能を追求したiPhone 17 Pro
今回のインタビューから、Appleが各モデルの特性に合わせて、素材と設計を戦略的に最適化していることが明らかになりました。
- iPhone Air: チタンフレームと独自の内部構造により、驚異的な薄さと日常使いに十分な耐久性を両立。
- iPhone 17 Pro: アルミニウムを採用することで、放熱性能とバッテリー性能を極限まで高め、カラーバリエーションの自由度も確保。
長年の懸念だった「ベンドゲート」問題を完全に克服したiPhone Airは、その美しいデザインと安心感を両立した、魅力的な選択肢となりそうです。

